ほっと一息

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2024.01.10

私の食育日記 だしを活用して薄味を目指そう

JA広報通信2024年1月号

食育インストラクター●岡村麻純

 

 子どもたちも成長とともに何でも食べられるようになってきましたが、家庭での料理はできる限り薄味で作るよう心がけています。そこで大切にしているのが、だしです。だしのうまみを利用すると、少ない調味料でもしっかりと味わうことができます。
 このだしで感じるうまみという成分には代表的なものが三つあります。かつお節に含まれるイノシン酸、昆布などに含まれるグルタミン酸、シイタケに含まれるグアニル酸です。これらのうまみ成分は合わせて使うと、相乗効果によりさらに強いうまみを感じることができます。
 だしの中で、わが家で最も使われているのが、かつお節と昆布の合わせだしです。毎日のみそ汁や、煮物、炒め物にも大活躍しています。時間がないときは、お茶や紅茶を入れる湯飲みやポットの茶こしにかつお節を入れ、沸騰直前のお湯を注いで数分置くだけで、少量のかつおだしができるので、それを料理に使うこともあります。
 他にも煮干しだしやトビウオから取るあごだしにもイノシン酸がたくさん含まれています。だしを少し替えるだけでも、いつもの料理が一味違ったものになるかもしれません。
 だしというと和食のイメージがありますが、実は他にもうまみ成分が含まれているものがたくさんあります。例えば、野菜。ニンジンやタマネギ、キャベツなどよく使う野菜の皮や切れ端を煮ておくと、簡単に野菜だしを作ることができます。野菜にはグルタミン酸が含まれており、そこに、イノシン酸が含まれる鶏肉やグアニル酸が含まれるキノコ類を加えると、うまみたっぷりの洋風スープの出来上がりです。メインで使った野菜の切れ端を煮ておくだけで簡単に作れるので、野菜だしは大活躍です。
 素材の持っているうまみ成分を凝縮させただしを最大限に活用して、薄味でも大満足な料理を目指していきたいと思います。

 

 

岡村 麻純(おかむら ますみ) 食育インストラクター


お茶の水女子大学食物科学講座卒業
大学では食育をテーマに研究
男女2児の母