ほっと一息

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2023.12.02

お天気カレンダー 師走 足早に通り過ぎる

JA広報通信2023年11月号

気象予報士●檜山靖洋

 12月は、クリスマスの準備をしたり、大掃除をしたりしているうちに、あっという間に年末を迎えそうです。「師走」の名の通り、忙しく走り回るうちに時が過ぎていきます。
 寒い冬のときの天気図は、日本の西に高気圧、東に低気圧という、冬型の気圧配置になります。同じような気圧配置が長く続き、寒さも続きます。一方、暖冬のときは冬型が長続きしません。低気圧、高気圧も、「師走」の名の通り急ぎ足で通っていきます。これは、上空を西から東へ流れる偏西風が速いためです。
 偏西風が遅くなり南北に蛇行すると、暖気が入る所と寒気が入る所に分かれます。寒気が入る所は寒波となります。北半球をぐるりと回る偏西風が蛇行すると、寒気が入る地域が3、4カ所できることが多いです。米国や欧州で寒波というニュースが出たら、日本でも寒波になる可能性があります。

 

 

 

気象予報士・防災士 檜山 靖洋(ひやま やすひろ)

1973年横浜市生まれ。
明治大学政治経済学部政治学科を卒業後、印刷会社に就職。
1999年に気象予報士を取得し気象会社へ転職。
2005年からNHKの気象キャスターに。
朝のニュース番組「おはよう日本」の気象情報に出演中。