ほっと一息
2023.06.07
シニアのためのネットリテラシー講座 SNSでの「公開範囲」に注意しよう
JA広報通信2023年5月号
成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト●高橋暁子
SNS(会員制交流サイト)での投稿は、公開範囲に注意して投稿する必要があります。公開範囲を知らなかったり、設定を間違うと、思わぬトラブルに巻き込まれることがあります。公開範囲の種類と注意点について解説します。
◎公開範囲は自分で設定しよう
公開範囲とは、自分の投稿を見られる相手を制限できる機能です。「全体公開」や、「限定公開」などの種類があります。
全体公開した場合の投稿は、誰でも見ることができ、検索対象にもなります。例えば、リアルタイム検索をしたときに見つかる投稿は全体公開で投稿されたものです。
限定公開では、友達まで、あるいは自分が決めた一部の友達までなど、自分が選択した人のみが投稿を確認できます。多くの場合、初めは全体公開の設定になっており、設定は自分で変える必要があります。フォローを許可制にする「非公開アカウント」にも同じ効果があるので、うまく使い分けましょう。
◎プライベートなことは限定公開で
SNSの投稿は思ったよりも多くの人が見ています。どんなことでも全体公開で投稿していると、個人情報が流出してしまい悪用されることがあります。その結果、空き巣被害やストーカー被害に遭った人もいるので、自宅の場所や留守の期間、現在地が分かることなどは投稿しないようにしてください。
広く伝えたいこと、多くの人に見てもらいたいことは、全体公開で投稿しましょう。自分の投稿を見た誰かから反応がもらえ、交流が広がるかもしれません。逆に個人情報が出ていたり、プライベートなことを投稿する場合は、限定公開で投稿するといいでしょう。
ただし限定公開でも、問題あることを投稿していたために非難・批判が殺到する、いわゆる「炎上状態」となった人もいます。他の人が不快に思うことは、絶対に投稿しないようにしましょう。
成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト 高橋 暁子(たかはし あきこ)
SNS、10代のネット利用、情報モラルリテラシーが専門。スマホやインターネット関連の事件やトラブル、ICT教育に詳しい。NHK「あさイチ」「クローズアップ現代」などテレビ出演多数。SNS関連の著書は20冊以上。