ほっと一息

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2023.05.27

永山久夫の健康万歳! ゴマおむすびでどんどん長生き

JA広報通信2023年5月号

食文化史研究家・日本の長寿食研究家●永山久夫

 

 大盛りご飯を3杯も

 ほかほかのご飯にゴマ塩をパラパラとかけて頰張ります。
 いやー、うまくて、うまくて。
 夢中で食べて、気付いたら大盛りご飯を3杯目。お米の国・日本に生まれて良かったなーと、しみじみと感謝しています。
 ゴマおむすびもうまい。
 たいがい、おむすびは炊きたてではなく、常温になってから食べます。ちょっと冷ましてから食べると、ご飯に消化しにくいでんぷん質のレジスタントスターチが増えて、食物繊維と同じような働きをします。
 つまり、整腸効果がアップしてお通じが良くなり、元気も出るのです。
 そんな素晴らしいおむすびに黒いゴマが点々としていて食欲をそそります。ゴマの小さい粒の中には栄養成分がぎっしりと含まれているのです。

 

 

 紫式部も食べていたかも

 ゴマが古くから世界各地で「食べる丸薬」とか、「長寿の秘薬」と呼ばれてきたのは、セサミンという成分が多く、体の酸化を防いで若返り作用が強いためです。
 しかも、ビタミンEも多く、こちらも若返り効果が高く、セサミンと一緒になって働くためにアンチエイジングパワーがいっそうアップします。
 ゴマには、もう一つの若返りビタミンのナイアシンも多く、女性の美しさと関係の深い成分です。美しいお肌の形成に効果があるだけではなく、女性ホルモンの合成にも関わりがあり、食べると女性的な魅力もいっそう高くなるのではないでしょうか。平安時代の医術書『医心方』には、「ゴマを久しく服用すると、体が軽くなり、老衰を遠ざけて、寿命を延ばす」とあり、紫式部たちも食べていたのは間違いありません。

 

食文化史研究家・日本の長寿食研究家  永山 久夫(ながやま ひさお)

1934年福島県生まれ。食文化研究所、綜合長寿食研究所所長。古代から明治時代までの食事復元研究の第一人者。長寿食や健脳食の研究者でもあり、長寿村の食生活を長年にわたり調査している。