ほっと一息

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2023.05.19

私の食育日記 骨に良い食事を目指そう

JA広報通信2023年5月号

食育インストラクター●岡村麻純

 冬には家族でスキーやスノーボードに夢中になっていますが、今年は夫がまさかのけが。腕の骨にひびが入ってしまいました。それからはわが家の食事は骨に良いものというテーマになっています。骨に良い食事は、けがだけでなく、成長期の子どもや高齢者にとっても大切です。

 骨といえばカルシウム。カルシウムは体内の約99%が骨と歯に含まれていますが、残りの1%は血液中に含まれ、とても重要な役割をしています。この血液中のカルシウムが不足してくると骨にあるカルシウムを使うため、骨が弱くなったり、成長に影響を及ぼしたりすることもあるのです。

 厚生労働省が出している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、カルシウムを食事から取る1日の推奨量は12〜14歳の成長期に最も多く、男子では約1000mgです。牛乳1杯に含まれるカルシウムが約230mgですので、成長期には1日牛乳4杯分ほどのカルシウムの摂取が望ましいことが分かります。そして30代男性で約740mg、65〜74歳の男性では約770mgとなっています。糖質など多くの栄養は高齢になるにつれ摂取目標が少なくなっていきますが、カルシウムは加齢とともに吸収率が下がるため、高齢の方により多い摂取目標となっています。

 カルシウムの吸収率が良い食品といえば牛乳です。他にも小魚や小松菜、チンゲンサイなどの野菜にも多く含まれます。さらにカルシウムの吸収を助けてくれるビタミンDを一緒に摂取することをお勧めします。ビタミンDは干しシイタケやキクラゲ、イワシやサケに多く含まれます。一方、リンはカルシウムの吸収を妨げてしまうので、リンが多く含まれるインスタント食品や加工品の摂取は控えめにしましょう。

 骨に良い食事を目指して、毎食カルシウムを多く含む食品を一つでも加えられるように意識していこうと思います。

 

 

岡村 麻純(おかむら ますみ)


タレント、食育インストラクター。お茶の水女子大学食物科学講座卒業。大学では食育をテーマに研究。現在は男女2児の母。