ほっと一息

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2023.05.10

シニアのためのネットリテラシー講座 SNSでの個人情報の出し方のこつ

JA広報通信2023年4月号

成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト●高橋暁子

 

 SNS(会員制交流サイト)で情報交換したり交流したりすると、人間関係が広がって楽しめます。ただし、個人情報を出し過ぎるとリスクもあります。個人情報の出し方のこつについて見ていきましょう。

交流のために必要な情報を出そう

 SNSでは興味・関心や趣味、年代、出身地や居住地など、共通点がある人同士でつながると親しくなりやすいです。あらかじめそのSNSをどのように使いたいのかを考えてから使い始めましょう。
 このとき、個人情報をどこまで出すか決め、出さない情報も決めておくと安心です。

 

出してはいけない個人情報とは

 SNSに出してはいけない個人情報もあります。例えば、自宅の写真や住所が分かる写真など、自宅が特定されるような情報です。「仙台駅に着きました」「これから3日間大阪旅行です」というように、現在いる場所や自宅を留守にする期間なども公開するとリスクにつながります。
 現在地が分かることでストーカーや強盗被害に遭った例や、自宅が特定されて留守の期間を狙って空き巣に入られてしまった例もあるので、くれぐれも注意してください。
 本名や顔写真などは、出すことで交流は広がりますが、一度出すと取り消せないので、よく考えてから出すようにしましょう。SNSは必ずしも本名で使う必要はなく、ニックネームで利用するのもいいですね。
 SNSは多くの人が見る公の場と考えて、興味・関心や、知られても問題ない範囲の情報のみ出すことを心がけてください。個人の特定につながる情報は取り扱いに注意して、直接会って信頼できると感じた人にのみ口頭で伝えるのがお勧めです。

 

 

成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト  高橋 暁子(たかはし あきこ)

SNS、10代のネット利用、情報モラルリテラシーが専門。スマホやインターネット関連の事件やトラブル、ICT教育に詳しい。NHK「あさイチ」「クローズアップ現代」などテレビ出演多数。SNS関連の著書は20冊以上。