ほっと一息

ほっと一息

2023.04.29

おいしく楽しく飲んで あなたも日本茶ビューティー!

JA広報通信2023年4月号

協力:NPO法人 日本茶インストラクター協会 https://www.nihoncha-inst.com/
監修:安藤茂美 日本茶インストラクター・日本茶アドバイザー専任講師
イラスト:小林裕美子

 

 

日本茶は現代の科学でさまざまな健康効果が分かっています。
新茶の季節に「お茶活」で健康美を手に入れましょう。

 

日本茶のキホン

 お茶はチャの木の葉を摘んで作られます。学名をカメリアシネンシスといい、ツバキの仲間です。温暖な地域を好むことから、九州地方や静岡県などが主な生産地ですが、日本中で各地の気候や文化に合わせたさまざまなお茶が作られています。製造方法を変えると同じチャの木からウーロン茶や紅茶を作ることもできます。

唱歌『茶つみ』にも歌われているように、立春から88日前後で茶摘みが始まります。

写真:高山俊佐(日本茶インストラクター)

 

 

美肌効果

「腸活」して美肌を手に入れよう

 美肌に便秘は大敵。お茶には整腸作用が期待できる食物繊維が含まれています。深蒸し茶ではお湯に溶けた細かい葉をそのまま飲めますし、抹茶や粉末茶はお茶の葉を粉にしているため、葉の栄養を丸ごと取れます。
 ビタミンCは熱に弱いといわれますが、お茶に含まれるビタミンCはカテキンに守られているため、お湯で淹(い)れても大丈夫です。ビタミンCの抗酸化作用で、肌は生き生き、美白効果も期待できます。

 

 

ストレス解消

ぬるめでほっこり、熱めでシャキッと!

 お茶を飲むと、なんだかほっこりすることはありませんか。これはお茶特有のアミノ酸の一つ、テアニンといううま味や甘味の成分が入っているからです。ぬるめの温度で淹れるとよく感じられます。
 新茶の香りは、青葉アルコールと呼ばれる爽やかでナチュラルな香り。お茶の香り成分は副交感神経の働きを優位にするためリラックスできます。ストレスが発散されたら、少し熱めのお茶を飲みましょう。カフェインが集中力ややる気を出してくれます。

 

 

免疫力向上

美の始まりは健康な体から

 お茶には複数のカテキンが含まれています。熱いお湯で淹れると渋苦味成分のエピガロカテキンガレートが多く溶け出し、これはインフルエンザや風邪予防の効果があります。サポニンという成分もこれを補助します。最近人気のある水出しのお茶は、免疫力を高めてくれるエピガロカテキンの割合が増え、カフェインも少ないため渋苦味が少なくて飲みやすく、水分補給にも向きます。メチル化カテキンが多い「べにふうき」緑茶は花粉症などアレルギー症状を緩和するといわれています。

 

 

デトックス

不要なものは外に出してキレイに!

 昔からお茶には解毒の働きがあると考えられていました。特にカフェインに解毒・利尿作用があるといわれ、さらに脂肪燃焼を速めて代謝を促進します。また、熱いお茶を飲むことで汗をかき血行が促進されます。ビタミンCも手伝って二日酔いに効くともいわれます。鎌倉時代、源実朝が飲酒で具合が悪くなったときに、栄西禅師がお茶を献じたところ体調が回復したとの逸話も残っています。

 

 

冷え予防

お茶を体温調節に利用しよう

 冷房の効いた場所に長くいる人や冷え性の人には、紅茶やほうじ茶など茶色のお茶がお薦めです。スパイスやミルクなどを加えて飲めば体も心もホカホカに。カフェインを気にする方にはほうじ茶がお薦めです。
 一方、温かい緑茶は一時的には循環を良くしますが、薬膳では体を冷やす側に分類されています。夏にはミントやかんきつ類を加えてすっきりするのも良いですね。

 

 

生活習慣病予防

お茶飲み習慣で生涯ビューティーに

 年齢を重ねると体のさまざまな数値に変動があり、メンテナンスが必要になってきます。お茶に含まれるカテキン類は脂肪をコントロールしたり、糖の吸収を穏やかにする他、動脈硬化や血圧上昇を抑制します。口腔内の衛生や虫歯予防にもなります。 さらにビタミンやテアニンも加わって抗がん作用、老化・認知機能低下の予防も期待されます。毎日お茶を飲んでエイジングケアをしながら、生き生きと生涯ビューティーを目指しましょう。

 

 

 

日本茶の健康効果

基礎および臨床研究で明らかにされた茶の効能・効果

抗がんなど

抗酸化など

脳の老化防止など

肝機能保護

血圧の上昇抑制、脳卒中とその進展抑制

免疫機能改善

抗アレルギー・抗炎症

消臭、抗う蝕(虫歯予防)

抗菌(食中毒菌、病原菌)、抗ウイルス

腸内細菌叢(そう)の改善

抗動脈硬化など

血中コレステロール・中性脂肪の上昇抑制

糖尿病・肥満の予防、メタボリックシンドロームの予防

老化の抑制(アンチエイジング)

 

 

暮らしの中にもっと日本茶を!

 

食材においしく活用


 砂糖、みりん、みそを火にかけてよく練ったところに、よく絞って細かく刻んだ茶殻を混ぜて茶みそを作ってみましょう。おにぎりに塗って焼くとみそ焼きおにぎりに。ご飯にのせてお茶を注げばお茶漬けに。パンに塗ってもおいしいです!


 茶殻をよく絞って細かく刻んで、チャーハンやパスタソースに加えたり、菓子や天ぷらの材料にもなります。

 

お掃除や消臭に


 しっかり絞った茶殻を床にまき、ほうきで掃くと細かいごみが一緒にくっついてきます。焼き肉や焼き魚の後にお茶をいったりトースターで焼くと、部屋がお茶の良い香りに。よく乾かした茶殻は、消臭剤代わりにもなりますよ。