ほっと一息

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2023.05.30

なくそう食品ロス ごみゼロの日

JA広報通信2023年4月号

食品ロス問題ジャーナリスト●井出留美

 

 5月30日は「ごみゼロの日」。「5(ご)3(み)0(ぜろ)」の語呂合わせです。

 これからだんだん気温が上がってくると、悩ましいのが生ごみの臭いです。小バエも飛んでくるし、重いし、臭いし、出すのも面倒です。

 そんな悩みを一掃してくれるのが「家庭用生ごみ処理機」です。スイッチを押せば、ドライヤー方式で熱風が出てきて、生ごみを乾燥させてくれます。生ごみの重さのうち、80%以上は「水」です。乾かせば、その重さは80%近くが減るのです。

 私は2017年から生ごみ処理機を1400回近く使い、累積369kg以上の生ごみを減らしてきました。体重60kgの大人約6人分です。生ごみの重さの減少率は70%近くです。

 家庭用生ごみ処理機は、全国の自治体の60%以上が、市民への助成金制度を用意しています。私も、住んでいる自治体に申請して、半額で買いました。自治体によって補助額は違いますが、私が知っている中で一番多いところでは上限6万円もの補助があります。それだけ、自治体はごみを減らしたいと考えており、ごみ削減のためには、食品ロスを含めた生ごみを減らすことがキーポイントなのです。

 庭や畑があれば、生ごみは、コンポスト(家庭用堆肥化容器)を使って堆肥にできるでしょう。庭がない家や集合住宅に住んでいる人、堆肥を作っても使い道がない人向けに、できた堆肥を野菜に換えてくれる不定期のサービスもあるようです。

 食品ロスを減らす上で「量る(もしくは測る)」「見える化する」ことは重要です。見える化すると意識が変わります。意識が変わると行動が変わり、成果に結び付くのです。こつこつ続けていくと、減らすのが楽しく、すがすがしい気持ちになりますよ。

 

 

食品ロス問題ジャーナリスト 井出 留美(いで るみ)


株式会社office3.11代表取締役。博士(栄養学/女子栄養大学大学院)修士(農学/東京大学大学院農学生命科学研究科)。『食べものが足りない!』『SDGs時代の食べ方』『捨てないパン屋の挑戦』など著書多数。