ほっと一息

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2023.03.16

知っておきたいマナー集 卒業式のマナー

JA広報通信2月号

和文化講師●滝井ひかる

 

 日本では卒業式シーズン。3月は街中で袴(はかま)姿の学生をちらほら見かけます。

 明治時代、袴は女子学生の制服だったため、今でもその名残で卒業式にはよく着られます。成人式の振り袖に袴を合わせる方も多いのではないでしょうか。

 振り袖は未婚女性の第1礼装。袴を合わせずに、振り袖のみで卒業式に出ても構いません。椅子に座るときは、袖を膝に重ねて折り畳むようにして、袖が床に付かないようにしましょう。階段の上り下り、トイレなどでも同じです。一時的に折り畳んで留めておける着物クリップがあると便利です。なければ洗濯挟みや文具のダブルクリップで代用しましょう。

 また、手を挙げたときなどに袖口から肘や二の腕がのぞかないよう、もう片方の手で袖口を押さえます。

 袴の足元が草履なら、足袋と足の境目が見えないようにくるぶしの長さで袴を着付けます。フォーマルでは5cm前後の高さがある草履を履きます。ブーツの場合は少し短めに袴を着付けます。

 参列する保護者の方が和装の場合は、訪問着、付け下げ、紋付きの色無地といった準礼装・略礼装を着ます。あくまで主役は学生本人ですので、保護者は落ち着いた色合いや意匠を選びましょう。

 ちなみに保護者の方が洋装の場合は、フォーマルスーツ、ワンピース、最近はパンツスーツでも良いとされています。卒業式には黒、グレー、ネイビーなど控えめな色がお薦めです。一方で入学式は少し明るい色を取り入れてもいいでしょう。
 卒業式は別れと門出の大切な節目。身だしなみを整えて先生や友人への感謝の気持ちを表しましょう。