ほっと一息

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2023.03.06

なくそう食品ロス グリーンピースのさやで作る「ベジブロス」

JA広報通信2月号

食品ロス問題ジャーナリスト●井出留美

 

 春の野菜といえば、ナバナやアスパラガスなど、緑色の野菜が多いですね。

 その春野菜の一つに、3月から6月にかけて旬を迎えるグリーンピースがあります。グリーンピースは、「サヤエンドウ」や「エンドウマメ」と同じものともいえます。サヤエンドウはさやが柔らかいうちに収穫したもので、もう少し大きくなった未熟な実がグリーンピース、実が成熟したものがエンドウマメです。青エンドウや赤エンドウなどは「みつ豆」に使われますね。このように、グリーンピースは成長過程によって呼び名が違うのです。

 私はグリーンピースご飯が好きです。だしで炊き、ちょっと塩味を利かせるのがポイントです。ところで、グリーンピースを使った後、「さや」を捨ててはいませんか。私も以前は「不要なもの」と思い、捨てていました。でも、食品ロス問題に関わるようになり、野菜の皮も茎も葉も活用すべきではと考えるようになりました。

 そこで作り始めたのが野菜だし「ベジブロス」です。野菜(ベジタブル)の「ベジ」と、だしの「ブロス」を組み合わせた言葉です。

 グリーンピースのさやや、タマネギの皮など、通常捨ててしまうものを密閉容器に入れて、冷蔵庫のチルド室などで保存しておきます。1週間ぐらいである程度の量がたまったら、深鍋に入れて、1Lぐらいの水を入れて1時間ぐらい煮出すと、おいしいベジブロスができます。

 私は、玄米カレーを作るとき、玄米を炊くのにベジブロスを使ったり、ドライカレーを作るときにベジブロスを使ったりしています。煮出した後の搾りかすは、家庭用生ごみ処理機で乾かして、コンポスト(堆肥化容器)に入れます。野菜を最後まで使い切ると、すがすがしい気持ちになれますよ。

 

 

食品ロス問題ジャーナリスト 井出 留美(いで るみ)


株式会社office3.11代表取締役。博士(栄養学/女子栄養大学大学院)修士(農学/東京大学大学院農学生命科学研究科)。『食べものが足りない!』『SDGs時代の食べ方』『捨てないパン屋の挑戦』など著作多数。