ほっと一息

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2023.03.05

日本の「農」と「食」を学ぶ 農業の環境保全機能について

JA広報通信2月号

●日本農業検定事務局

 

 

 農村で農業生産活動が行われることにより生ずる、農産物の供給を含めた幅広い機能を「農業・農村の多面的な機能」と呼んでいます。農村地域では、農業が営まれることにより、田畑に育った作物と農家の家屋、その周辺の水辺や里山が一体となって美しい農村景観を形成しています。

 

問題 農業の環境保全機能についての説明で、間違っているものは次のうちどれですか。

(1)耕作を続けている田畑では、雨水がゆっくりと地下に染み込むので、地下水位の急上昇を防ぐ働きをしている。
(2)あぜに囲まれた田や畑には、雨水を一時的に貯留し、ダムのように洪水を防止する機能がある。
(3)田畑では、自然との調和を図りながら手入れをすることによって、トンボやカエルなど、多様な生き物が生活できる二次的自然が形成されている。
(4)田畑で育っている作物は、蒸散作用によって大気を浄化する機能を持っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

解答:正解は(4)です。

解説:田んぼの稲には光合成によって大気中の二酸化炭素を減らし、代わりに酸素を出す、大気の浄化機能があります。
 あぜに囲まれた田や耕作されている畑の土壌には、雨水を一時的に貯留する働きがあり、田んぼの一枚一枚は、小さな治水ダムの役割を果たしています。また、田畑の耕作を続けることで、雨水を地下にゆっくりと染み込ませ、地下水位が急上昇することを抑える働きがあり、地滑りなどの災害を防止しています。
 田畑には、人が手を加えることで形成・維持されてきた自然環境である、豊かな生態系を持った二次的自然が形成されています。
『新版 日本の農と食を学ぶ 中級編』(22ページ)より

 

図 環境保全機能

 

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