ほっと一息

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2023.03.04

お米をおいしく楽しもう お米のイベント

JA広報通信2月号

五ツ星お米マイスター●小池理雄

 

 私はお米のイベントに参加したり開催したりしますが、消費者の皆さんに「お米の楽しさ」をお届けするには、イベントは非常に有益な手段だと実感しています。

 私は生産者向けの講演で「イベントは作り手が消費者とつながる貴重な機会であり、物販であっても目的はその場での売り上げではなく自分たちのファンを増やすことだ」と伝えています。今はSNS(会員制交流サイト)という便利な機能がありますので、それを活用して参加者とつながり、長い目で見たときの売り上げ増につながればいいのです。

 イベントでは、何はともあれお米の楽しさを伝えることが大事です。

 最強のイベントは「いろいろな品種食べ比べ体験」です。ぱっと見はどうという内容ではありませんが、よく考えるとこれほど自宅では実施できない内容もありません。

 まず複数種類のお米を準備しなければなりません。それを同時に炊飯するわけですから、炊飯器も複数必要です。炊飯器の同時稼働は普通の家庭ではブレーカーが落ちてしまいます。

 「お米すくい体験」もお勧めです。例えば白米をたるなどの大きな容器に入れ、それを両手で1回だけすくい、すくえた分だけ100円で販売するのです。両手であれば300gくらいがせいぜいですが、強者となると肘まで使ってすくうのでそこそこの量になります。多くすくえればそれだけお得になりますので、会場は大盛り上がりです。

 「ブレンド米製造ワークショップ」も好評です。これもなかなか自宅では難しい内容です。複数のお米を準備してそれぞれのお米の特徴を参加者に説明します。その後、参加者に食べたいお米をイメージしてブレンドしてもらうのです。

 単に「ご飯の試食」だけではないイベントがありましたら、ぜひとも参加してみてください。

 今まで知らなかったお米の楽しさに触れることができるでしょう。

 

 

 

 

五ツ星お米マイスター 小池 理雄(こいけ ただお)

小池精米店三代目店主。1971年東京・原宿生まれ。大学卒業後、出版社、人事制度コンサルティングファームなどを経て、2006年に小池精米店を継ぐ。それまでの社会経験を生かし、新しいお米屋さんのあり方を常に模索している。