ほっと一息
2023.02.04
お天気カレンダー 一輪ほどの暖かさ
JA広報通信1月号
気象予報士●檜山靖洋
梅干しや梅酒などを作るため、6月には梅仕事をする人も多いと思います。私も毎年梅仕事を楽しみにしています。梅の種類を大きく二つに分けると、実を食用とするための実梅、花を観賞するための花梅があります。梅は梅雨時に収穫の時期を迎えますが、花が咲きだすのは1、2月ごろです。気象庁の生物季節観測によると、梅開花の平年は、東京で1月22日、大阪で2月13日です。一年の中で最も気温が低くなるのが、1月下旬から2月上旬ですから、梅の花は最も寒い時期に咲きだします。
2月4日は立春です。立春は寒さの底で、立春を境に暖かい季節に向かっていきます。冷たい空気の中に、ほっこりと咲く小さな梅の花に少しだけ春が感じられます。まさに「梅一輪一輪ほどの暖かさ」(服部嵐雪)です。梅の花一輪に暖かさを感じられる、繊細な心を大切にしたいとあらためて思いました。
気象予報士・防災士 檜山靖洋(ひやまやすひろ)
1973年横浜市生まれ。
明治大学政治経済学部政治学科を卒業後、印刷会社に就職。
1999年に気象予報士を取得し気象会社へ転職。
2005年からNHKの気象キャスターに。
朝のニュース番組「おはよう日本」の気象情報に出演中。