ほっと一息
2023.02.07
お米をおいしく楽しもう お米のコンテスト
JA広報通信1月号
五ツ星お米マイスター●小池理雄
ここ近年、毎年お米の新品種がデビューします。「品種は増えていく一方で、お米の味は淡泊なため違いが分からない……」。そんな消費者の悩みを解決するのが「どれがおいしいお米なのか」を客観的に示した情報です。
例えば、日本各地では毎年お米のコンテストが開催されています。
「お米日本一コンテストinしずおか」(静岡県庁主催)、「米・食味分析鑑定コンクール」(米・食味鑑定士協会主催)、「米‒1グランプリinらんこし」(北海道蘭越町主催)、「あなたが選ぶ日本一おいしい米コンテストin庄内町」(山形県庄内町他主催)、「大阪府民のいっちゃんうまい米コンテスト」(大阪府米穀小売商連合会主催)、「東京米スターセレクションKIWAMI米コンテスト」(東京都米穀小売商業組合主催)などです。
しかし、これらのコンテストはどちらかというと「生産者個人の腕自慢」の側面が強い大会です。そのためこれらで優勝したお米は生産量が少なく、生産者に直接問い合わせないと手に入りません。
一方で以前よくメディアをにぎわせていた「食味ランキング」(日本穀物検定協会主催)ですが、これは「品種としての特性と、その年の出来具合」を産地別に格付けを行うものです。「○○県の□□□が最高位の『特A』を獲得した」という情報は、広い範囲でのその米の品質についての格付けになっています。これであれば一般的に流通しているお米を購入する際の参考になり得ます。
ただし、スーパーなどで販売しているお米が「特A」を獲得した産地・品種と同じであっても、実際に栽培している田んぼや栽培者が異なるため厳密には同じお米ではありません。そのため、あくまでも「参考」であることは覚えておいてください。
コンテストにせよランキングにせよ、他の農産物ではあまり見ることのないイベントがお米では盛んに行われています。こういった情報をチェックすることもお米の楽しみ方の一つになるのです。
五ツ星お米マイスター 小池 理雄(こいけ ただお)
小池精米店三代目店主。1971年東京・原宿生まれ。大学卒業後、出版社、人事制度コンサルティングファームなどを経て、2006年に小池精米店を継ぐ。それまでの社会経験を生かし、新しいお米屋さんのあり方を常に模索している。