ほっと一息
2023.01.21
健康百科 ノロウイルスに注意
JA広報通信1月号
佐久総合病院名誉院長●松島松翠
最近、ノロウイルスによる食中毒が、世界各地で多数報告されています。ノロウイルスは冬になって活発化するウイルスで、主に食品や水から感染します。
ノロウイルスに感染すると、1~2日後に激しい腹痛や嘔吐(おうと)、下痢を起こします。つまり食中毒の症状が出ます。時には、頭痛、発熱、咽頭(いんとう)痛など、風邪と似た症状を起こすこともあります。症状が比較的軽い場合もありますが、その感染力は強大です。
ノロウイルスは、二枚貝の内臓に蓄積されることが多く、カキ、シジミ、ホタテなどからノロウイルスが検出されています。
一番多い中毒としては、「生カキ」が挙げられます。冬場においしいので食べる人が多いのですが、生カキは避けた方が無難です。もちろん煮て食べれば問題ありません。カキフライにするときも、十分加熱することが必要でしょう。また、カキを調理したまな板、包丁、ふきんなどにウイルスがついていることもありますので、熱湯で十分消毒することが重要です。
ノロウイルスは、食べ物からだけでなく、ウイルスで汚染した手などを通しても、人から人へと感染が広がります。従って予防の第一は、外から帰ったときやトイレのあと、調理・食事の前には、石けんと流水で手をよく洗うことです。下痢の症状があるときは、他人とタオルなどを共有しないことが大切です。
特に抵抗力の弱いお年寄りや乳幼児などが感染した場合は、重症化しやすいので十分注意しましょう。