ほっと一息

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2023.01.18

心に効く! このひとこと 「ダメ元」

JA広報通信1月号

 エッセイスト●小川由里

 

 人はこれに挑戦してみたい、応募してみたいなどと心を踊らせながらも、なかなか踏み切れないことが多いものです。

 それは、失敗したら落ち込むだろうな、あるいは自分にはまだ無理かもしれないという不安や恐れが強くあるからです。そういうときこそ、この言葉の出番です。

 「ダメ元(だめもと)」  これは「ダメで元々」を略した言葉です。私は言葉を短く縮めて言うのは嫌いですが、この「ダメ元」は、縮めて言う方がさっと心に入るように思えて使っています。  迷いに迷ったとき、自分に言い聞かせるのです。「ダメ元、ダメ元」と。

 すると、失敗の不安が小さくなり「ダメで元々なら思い切ってやってみよう!」という勇気がわいてきます。「ダメ元」には、失敗したときのショックを和らげる、挑戦する気持ちを起こさせるという二つの作用があるのです。  子どもや友人が、なかなか決断できずにいるときにも使います。この場合は明るく「ダメ元じゃん」というように。

 「ダメで元々だと思って頑張ってみたらどうでしょうか」と丁寧に言うより、一言で相手の心に効きます。  私は「ダメ元」精神でやりたいことには挑戦することにしています。やらずに後悔するよりは、やってみてダメだった方があきらめもつき、心の切り替えができるからです。  また「ダメ元」でより高いレベルを目指すからには、それなりの努力をしますから、その分、知識や体験が増えることになります。

 「ダメ元」、人生訓としてもおすすめです。