ほっと一息
2023.01.16
トラブル回避の基礎知識 引っ越しのトラブルについて
JA広報通信1月号
国民生活センター●相談調査部 黄田玲子
就職や転勤、住宅購入などで引っ越しサービスを利用することがありますが、予期せぬトラブルに巻き込まれることがあります。
【事例1】急な転勤のため、電話で引っ越し業者に連絡を取った。部屋の広さや家財情報などを伝えて見積もってもらい、簡単な打ち合わせをして契約した。だが実際には荷物の量が多く、差額料金を請求された。
【事例2】事業者が乱暴に作業したため、家具に傷がついてしまった。弁償を求めると修理対応になると言われた。致し方ないのか。
事例1のように、電話やインターネットを利用したやり取りで見積もりを作成してもらう方法は、時間がかからず便利です。その一方で、消費者側が家財情報や作業内容を正確に申告することは難しく、トラブルになる場合があります。
引っ越しが決まったら、国土交通省から許可を受けたトラック運送業者、複数社に現場で見積もりをしてもらいます。その際の主な確認事項は、引っ越し料金の内訳や支払い方法、作業内容、引き渡し・受取日時、解約手数料などです。また見積時には、契約内容を定めた約款が提示されますので、内容をきちんと確認し、納得がいくまで説明を求めます。接客態度なども参考にし、総合的に判断して事業者を選ぶようにしましょう。
引っ越しが終わったら、紛失や破損などの問題がないか、必ず荷物を確認しましょう。そして何かあれば、すぐに事業者に連絡を取ります。被害回復は約款に基づいて行われることになりますが、事例2のようなケースでは、専門家による修理・復元が原則です。事業者はそれに要した費用を損害の賠償額として支払うことになります。