ほっと一息
2023.01.15
子育てQ&A 一人歩きをしない不安
JA広報通信1月号
こどもの城 小児保健クリニック 小児科医●巷野悟郎
Q 1歳4カ月になる長男はつかまって1、2歩は歩きますが、「一人歩き」をしません。立ってもすぐにしゃがんではってしまいます。同じ年齢のお子さんは、元気に歩き回っているのですが、発育が遅れているのでしょうか。
A 母子健康手帳の発育図の下の方に、それぞれの発達の時期が矢印で示されています。右ページの1歳のところには、一人歩きの時期があります。この見方は下の説明にあるように、矢印の左側の先が、この年齢の子どもの半分ができる時期、矢印の右側の先が10人のうち8人ができる時期です。これで一人歩きは1歳3カ月ごろまでに始まればよいということを示しています。これは日本人の平均ですが、歩くのにはその季節の服装や歩きやすい環境、体重なども関係しますし、慎重な赤ちゃんということもあるので、この矢印にはさらに幅を持たせて判断していいと思います。
以上はこの図の読み方ですが、お子さんの場合はもうつかまり立ちはするし、1、2歩は歩くのですから、このままでやがては歩くようになると思います。それでは、なぜ歩かないのかといえば、何かをしたくても、そこへ行きたいときに今までのようにはってしまった方が楽だから、とも考えられます。はうのが得意という赤ちゃんなのでしょう。 そうやって少しでも歩くのであれば、そのうち目線の高い歩きに興味がわいてくるようになると、はうようなことはしないで急に歩いてしまうのではないでしょうか。このようなお子さんをよく見ますので、本人の自由にしておいていいと思います。お子さんについてほかに心配なことがなければ、このように考えてみましょう。