ほっと一息

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2023.01.13

知っておきたいマナー集 帽子のマナー

JA広報通信1月号

「清紫会」新・作法学院学院長●近藤珠實

 

 帽子は、防暑や防寒、危険時の防御の目的でかぶられていました。また、礼容を整える目的や階級の象徴としてのかぶりものでもあります。

 その起源は、古代エジプト・ギリシャ時代に始まります。日本には、明治時代に洋服とともに欧米から入ってきました。まずは男性がかぶり、戦後になって女性がかぶるようになりました。

 今はさまざまな形で使われていますが、歴史や風俗が違うことから、きちんとしたマナーが分からず、迷われている方が多いようです。まずは、参考として古き良き時代の欧米の帽子のマナーを紹介します。

 

男性の帽子のマナー

 街で先輩、友人、知人に会ったときは、帽子を取ってあいさつ。紳士はいかなる場合もレディーにあいさつするときは脱帽します。基本的に男性は屋内では脱帽ですが、公共建物内や店舗内、官庁やホテルの廊下、デパートのエレベーターなどはかぶっていても構いません。

 

女性の帽子のマナー

 靴とともに服装の一部と見なされ、外出には必ずかぶる習慣のため、どんな場所でも取らなくていいといわれます。教会では必ずかぶり、また公式のランチョン(人を招待する食事)やレセプションには帽子のまま出席しました。現在でも、皇族女性の昼間の公式行事では守られてます。帽子をかぶってはいけないのが、ディナーのとき、イブニングドレスを着たときです。

 では、現在の日本では帽子のマナーをどう考えたらいいでしょう。

 まず、靴を脱いで上がる日本家屋に帽子は似合いません。また、洋間でも目上の人と面談のときに帽子をかぶっていると失礼だと思われることが多く、まして食事中は不快に思われます。

 日本では男性はもちろん、女性も「何かそぐわないな」と感じたときは取った方が無難です。劇場では後ろの人の迷惑になるので、つばのついた帽子は取りましょう。