ほっと一息

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2023.01.12

四季の花づくり 土作りが良い花を咲かす

JA広報通信1月号

 ●早川京子

 

 花栽培の基になる土作りは寒いうちから始まります。冬は、草花に直接触れる作業は少ないのですが、草花を植えつける花壇の準備は早いうちから始めましょう。

 土中深さ30cmくらいまでの土を大きく起こし、下の方の土と表面の土が裏返しになるようにする「天地返し」を、まだやっていない所は早急にやっておきましょう。そして、起こした土の上には消石灰をまいて土を中和してやります。

 こうして雨風に当て、湿りと乾燥を繰り返すうちに、固く締まった土が空気の入った軟らかい土へと変わっていきます。この状態にしておき、植えつけの1カ月前くらいに、堆肥(たいひ)などの有機質や肥料など元肥を入れて、土を細かく砕きながら草花の苗が植えつけられるよう地ごしらえをします。

 荒起こしと地ごしらえをした土は、空気を多く含み水持ちも良くなります。土は植物の体を支える助けをしますが、植物の根は水だけでなく、空気もないと生きられないので、こうした条件の土が必要になります。

 土中の養水分を吸収するのは若い根や毛根の役目ですが、空気や水分を適度に含む土は毛根がたくさん伸び、養水分をよく吸収するので地上部の茎葉や花が良く育ちます。ぜひ寒いうちに、土作りの大本になる作業をしておきましょう。  また、この時期は宿根草に肥料を施す時期となります。サクラソウはほかの草花より発根が早いので株分け、植えつけは早めにします。寒さに当ててある、ヒヤシンスなど水栽培の球根は、立春過ぎくらいから、室内の暖かい所に入れてやりましょう。