ほっと一息
2022.12.31
ネット・SNSを活用して災害対策しよう
JA広報通信12月号
成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト●高橋暁子
災害時は、安否の問い合わせなどがその地域に殺到し、電話がかかりにくくなる、いわゆる輻輳(ふくそう)状態となることがあります。ネットやSNS(会員制交流サイト)なら情報の取得ややりとりが可能です。いざというときに備えましょう。
◎LINEで家族の安否確認用グループをつくろう
LINEの既読機能は、東日本大震災がきっかけで生まれています。相手が返信できない状況でも読むだけで、自分が送ったメッセージの横に「既読」と表示されることで相手の無事を確認できます。同様に、自分が被災した際も、相手からのメッセージを読むだけで無事を伝えることができ、安心してもらえます。
ぜひLINEで家族の安否確認用にグループをつくっておきましょう。離れて住む家族が被災した場合は、他の家族が役立つ必要な情報をまとめて送るようにするといいですね。
◎ツイッター、LINEなどで自治体のアカウントをフォローしよう
ツイッター、LINEなどを活用する自治体も増えています。居住地の避難所や給水所、現在通れる道などの情報が見られるので、普段からそのようなアカウントを探してフォロー(相手が発信するメッセージを都度自分のページに表示する設定)しておきましょう。離れて住む家族の自治体アカウントもフォローしておくと安心ですね。
大きな地震などが起きた場合には、ツイッターやLINEの「首相官邸」アカウントの発信する情報の他、「#○○地震」などのハッシュタグでも必要な情報が得られます。ただし、災害時は情報が交錯してデマが増えることも知られています。ご紹介した信頼できるアカウントや、メディアの公式アカウントなどを中心に情報収集しましょう。
その他、災害時にはネットを通じてメールや電話で伝言を届けることができる「災害用伝言板」機能なども用意されています。いざというときのために、どのような手段で連絡を取り合うのかをあらかじめ話し合い、準備しておくと安心ですね。
成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト 高橋 暁子(たかはし あきこ)
SNS、10代のネット利用、情報モラルリテラシーが専門。スマホやインターネット関連の事件やトラブル、ICT教育に詳しい。NHK『あさイチ』『クローズアップ現代+』などテレビ出演多数。SNS関連の著作は20冊以上。