ほっと一息

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2022.12.18

日本の「農」と「食」を学ぶ ニンジン

JA広報通信12月号

●日本農業検定事務局

 

 現在栽培されている品種の多くが五寸ニンジンで、欧州から米国を経て明治に導入された西洋ニンジンです。西洋ニンジンに多く含まれるオレンジの色素ベータカロテンは、多くの植物に存在し、光合成色素として葉緑素に次いで働いています。そのため、ほとんどの植物では葉や果実など地上部の組織にベータカロテンが多いのですが、ニンジンは光合成をしない根にベータカロテンを多くためています。まだ不明な点も多い、数少ない根菜の緑黄色野菜です。

 

問題 ニンジンの栽培についての説明で、間違っているものは次のうちどれですか。

(1)冬季収穫の場合は根首部が露出すると凍害や霜害が起こるので、中耕を兼ねて根首部に土寄せする。
(2)根の直下に濃い化学肥料や未熟堆肥があると岐根(きこん)になりやすいので、完熟した堆肥を使いしっかりと耕すことが大切である。
(3)1回目の間引きは葉数が7、8枚になってから行うと根の形が良くなる。
(4)収穫後の保存は、葉を根元から切り落とし、新聞紙に包んで冷蔵庫に保存すると良い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

解答:正解は(3)です。

解説:ニンジンの間引きは2、3回に分けます。1回目は葉数2、3枚のときに行い3cm間隔に、2回目は葉数4~6枚のときに行い12cm間隔にします。間引きが遅れると根の形が悪くなるので、葉数6枚目までに終わらせます。
 収穫期が冬季の場合には、凍害や霜害で品質が落ちないように、露出した根首部に土寄せを行います。
 根が複数の股に分かれる生理障害である岐根が発生しないように、完熟した堆肥を使い、しっかりと耕します。また、根に割れ目が生じる生理障害の裂根が起きないよう適期に収穫します。収穫後は葉を根元から切り落とし、新聞紙に包んで冷蔵庫に保存しましょう。
『新版 日本の農と食を学ぶ 中級編』(100ページ)より


図 ニンジンの土寄せ作業

 

 


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