ほっと一息

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2022.12.17

お米をおいしく楽しもう ご飯が引き立つ「飯の供」

JA広報通信12月号

五ツ星お米マイスター●小池理雄

 

 「飯の供」……。最近、その種類の多さには目を見張るものがあります。私の知り合いで飯の供だけを扱っているEC(電子商取引)サイトを運営している方がいますが、それで一つのジャンルが成り立つくらい、今は種類が豊富なのです。
 私はよくメディアから取材を受けますが、必ずといっていいほど飯の供についての質問も受けます。それは白米だけだとどうしても画面的に寂しくなるからです。そう考えるとお米にとっても飯の供は自分をより引き立たせるために必要不可欠な存在、ともいえるのです。
 私は毎日白米を食べているので、どうしても飯の供に詳しくなります。私が好きなものは、北陸で売られている「雲丹醬(うにひしお)」と石垣島の「島豚ごろごろ」です。
 そして米屋が飯の供に触れると、必ずそれに合うお米についても問われます。
 私はこのように説明しています。
 前者は形状としては「ドロリ系」のため、粒がしっかりしたお米がよくなじみます。後者はややしっかり系なので口内で同時にそしゃくできるように粘りのあるお米がいいでしょう。そして両方とも味が濃いため、でんぷんの甘味が感じられるお米がいいのです。
 そう、実は「飯の供に合うお米の品種」というものもあるのです。
 私が作成した「飯の供の定義」があるのですが、その中で私は「主役はあくまでもご飯。ご飯の味を壊すことのない存在であるべし」と定めています。
 飯の供はお米消費拡大における最強の存在といえるでしょう。白米だけでは飽きてしまうところ、「味変」をすることによりさらに白米を食べ続けることができるからです。
 米を扱う立場としては、皆さんが飯の供を購入するときには「どういったお米と一緒に食べるとより楽しめるのだろうか」という、少しばかりお米寄りの立場で選んでいただければ、と願うのです。

 

五ツ星お米マイスター 小池 理雄(こいけ ただお)


小池精米店三代目店主。1971年東京・原宿生まれ。大学卒業後、出版社、人事制度コンサルティングファームなどを経て、2006年に小池精米店を継ぐ。それまでの社会経験を生かし、新しいお米屋さんのあり方を常に模索している。