ほっと一息
2022.12.04
トラブル回避の基礎知識 暮らしのレスキューサービスのトラブルにご注意!
JA広報通信11月号
国民生活センター相談情報部●上野純子
緊急の修理などに対処する「暮らしのレスキューサービス」に関する相談が増加しています。
【事例】トイレの給水管の水漏れに気付き、慌てて「水回り修理950円~」とのインターネット広告を掲載している事業者に電話をして事情を説明した。「3万円を超えることはないだろう」と言われ、その程度の金額ならよいと思い、来訪を要請した。現場に来た作業員から「給水管のさびを取らないと大変なことになる。全部で15万円かかる」と言われ、不安になって修理を依頼し、全額支払った。しかし後刻、水漏れが直っていないと分かり苦情を言ったところ、「適切な作業だった」と言われた。修理代を返してほしい。
緊急を要するトラブルに対処するため、検索サイトで上位に表示された、低価格をうたう事業者などに慌てて連絡をしてしまう場合があります。現場の状況次第では、広告でうたう金額と請求額が必ずしも一致するとは限りません。また、早期に解決したいという気持ちに付け込まれて事業者から不安をあおられ、望まない高額な契約をしてしまう場合や、修理内容が不十分でトラブルが解決しないケースもあります。
消費者の請求に応じて事業者が行う、その住居における販売などは、訪問販売のクーリング・オフなどの規定の適用除外になります。しかし、事例のように3万円程度なら契約をしてもよいと思って来訪を要請した場合には、15万円で契約をする意思をあらかじめ有していたとはいえず適用除外には当たらないと考えられ、クーリング・オフができる可能性があります。すぐに最寄りの消費生活センターなどに相談してください。
緊急を要するトラブルが起きたら、複数社から現場で見積もりを取って冷静に比較検討することは現実的ではありません。普段からトラブルを想定した初期対応の方法を確認したり、信頼の置ける事業者の情報を集めたりして対策を立てておきましょう。