ほっと一息

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2022.11.16

私の食育日記 子どもが大好きサツマイモ

JA広報通信11月号

食育インストラクター●岡村麻純

 

 待ちに待ったサツマイモの季節が来ました。寒くなるこの季節、子どもたちには風邪予防にたくさんの野菜を食べてほしいけれど、食の嗜好(しこう)がまったく違う子ども2人が共通して喜ぶ野菜はなかなかありません。そんな中、2人とも大好きなのがサツマイモです。どんなに時間がなくても1食に1品は野菜を入れるよう心がけているわが家では、サツマイモが大活躍です。

 サツマイモの主成分の3割は炭水化物です。その炭水化物のうち多くはでんぷんですが、スクロースやグルコース、フルクトースも含まれるため、他の芋類より甘味が強く、乳幼児期にはおやつの定番でした。炭水化物が多いことから、サツマイモはエネルギー源としての役割が強い印象ですが、野菜としての栄養もしっかりと含まれています。

 サツマイモは芋類の中でビタミンCが豊富です。通常、ビタミンCは熱に弱く、生で食べる野菜での摂取が中心ですが、サツマイモのビタミンCはでんぷんに守られることで加熱しても失われにくいことが分かっています。焼き芋の皮なし100gに含まれるビタミンCは23mg。これは、おおよそですが、焼き芋1本に、幼児が1日に必要なビタミンCが含まれていると考えられます。ちなみに5歳の娘の場合、サツマイモ半分はぺろりと食べてしまいますが、同じぐらいのビタミンCを取るためにピーマン1個を食べさせるのは至難の業なため、母としても大助かりです。

 他にも、サツマイモには食物繊維が多いため、便秘改善効果もあります。また、ビタミンEが含まれ、紫芋にはアントシアニン、安納芋など黄色いサツマイモにはカロテンが含まれるため、病気や老化を防ぐ抗酸化作用があることが分かっています。

 サツマイモの季節、子どもたちはたくさんの品種のサツマイモを焼いたり蒸したりして、味比べをして楽しんでいます。2人はやはり、好みのサツマイモもまったく違うようです。

 

 

岡村 麻純(おかむら ますみ)タレント、食育インストラクター


お茶の水女子大学食物科学講座卒業。
大学では食育をテーマに研究。
現在は男女2児の母。