ほっと一息

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2022.11.07

シニアのためのネットリテラシー講座 SNSに写真・動画を投稿する際の注意事項

JA広報通信10月号

成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト●高橋暁子

 

 SNS(会員制交流サイト)上で特に増えているのが、写真や動画に関するトラブルです。多くのSNSでは、投稿した写真や動画は友達やフォロワー以外でも確認でき、思った以上に多くの人に見られてしまいます。見た人に保存、転載されることもあるため、知らない人に見られると問題のある写真・動画は、決して投稿しないよう心がけましょう。

他人の顔写真は勝手に公開しないのが鉄則

 SNS上で特に多いトラブルが、「ネット上に顔を出したくないのに、勝手に写真や動画を投稿されてしまった」というものです。顔写真は大切な個人情報であり、ネット上に出したくないと考える人も多いです。自分は気にしなくても、相手も平気とは限りません。
 SNS上に公開したい場合は、撮影前に相手に「この写真、SNS上に投稿してもいい?」と確認を取るようにしましょう。許可を得ていないけれど公開したい場合は、顔部分にモザイクやスタンプなどの加工をしてから投稿するのがお勧めです。
 子どもの写真が流出することで、誘拐などにつながるリスクもあります。たとえ自分の孫の写真でも、必ず孫の両親に確認を取ってから投稿するようにしましょう。公開する場合も、LINEグループやフェイスブックで友達限定公開などにすると安心です。

自宅周辺の写真・動画は投稿NG

 写真や動画は、思った以上に多くの情報を含んでいます。SNSの投稿から居住地を絞り込み、背景や映り込みなどから、撮影地が簡単に分かることは多いのです。その結果自宅が特定され、空き巣被害などにつながっていることは知っておきたいですね。
 「自宅の隣の家の屋根の色」「自宅前が駐車場」「眼鏡や車への風景の映り込み」「行きつけのお店」などのわずかな手がかりだけで自宅が特定された例もあります。安全のために、自宅の近所で撮影した写真や動画はSNSに投稿しないようにしましょう。

 

 

成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト 高橋 暁子(たかはし あきこ)

SNS、10代のネット利用、情報モラルリテラシーが専門。スマホやインターネット関連の事件やトラブル、ICT教育に詳しい。NHK『あさイチ』『クローズアップ現代+』などテレビ出演多数。SNS関連の著作は20冊以上。