ほっと一息
2022.11.06
トラブル回避の基礎知識 海外OTAサイトでのトラブルにご注意!
JA広報通信10月号
国民生活センター相談情報部●竹谷啓子
海外業者が運営する旅行予約サイト(以下、海外OTAサイト)でのトラブルが増えています。
【事例】国内の気になるホテルをインターネットで検索し、最も価格の安い海外OTAサイトから予約したが、直後に日程を誤ったと気付いた。すぐにキャンセルを申し出たが「返金不可のプランなので応じられない」と回答があった。予約したホテルに連絡すると「直接の申し込みなら返金が可能だったが、キャンセルについては海外OTAサイトの判断となる」と言われた。納得できない。
海外OTAサイトを通じてホテルなどを予約すると通常より安い料金で契約できることがありますが、サイトの表記が日本語であっても、運営は海外業者が行っており、キャンセルなどの条件が厳しい場合があります。解約条件は各プランの詳細情報や利用規約の他、2022年6月1日以降は申込時の最終確認画面にも記載することが義務付けられました。「キャンセル不可」と明示されている場合には、返金を求めることは困難です。
旅行業法の適用がある国内業者が運営する旅行予約サイトの場合、規約は観光庁などが定める標準旅行業約款を使っている場合がほとんどで、事例のような場合、旅行業者への手数料などの負担で済む可能性があります。一方、日本に拠点のない海外OTAサイトは、日本の通信販売に関する規制に従う必要がありますが、旅行業法の適用はなく、規約などは業者が登録する国の法律に従って独自に決められているのが一般的で、原則その内容に従うことになります。
海外OTAサイトを利用する場合には価格の安さだけにとらわれず、取引条件や規約の内容をよく読んで検討するとともに、日本語のサポート体制の有無を含めて総合的に判断して決めることが大切です。また、トラブルを避けるため、最終確認画面は必ずスクリーンショットを撮っておきましょう。