ほっと一息

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2022.11.24

知っておきたいマナー集 箸のマナー

JA広報通信10月号

和文化講師●滝井ひかる

 11月24日「いい日本食」は和食の日に制定されています。2013年にユネスコ無形文化遺産に登録されて以来、和食は世界中で注目されています。今回は和食をいただくときに欠かせない「箸」のマナーです。映画やテレビドラマなどの食事シーンにおいて、俳優さんの箸遣いについて話題に上ることも……。その箸遣いの基本からお話しします。

 よく聞く「箸の上げ下げ」とは、初めに、置いてある箸の真ん中辺りを右手で上から持ち上げます。次に、左手で下から箸を添えて、右手を箸の天の方まで滑らせ、下から持ち替えて構えます。
 持ち方は、初めに上の箸を鉛筆のように右手で持って、中指の第1関節にのせます。次に、下の箸を親指の下に入れ、薬指の第1関節で支えます。下の箸は動かさず、上の箸を動かして挟むようにします。左利きの人は左右逆に行ってください。
 箸といえばよくいわれる、「忌み箸」「嫌い箸」といった箸遣いのタブーをいくつかご紹介します。

①器に箸を横に渡して置く「渡し箸」。


②箸に付いたものをなめて取る「ねぶり箸」。

③箸からポタポタとしょうゆや汁を垂らす「涙箸」。

④箸で器を引き寄せる「寄せ箸」。

⑤箸で口に食べ物を押し込む「込み箸」。

⑥箸で人やものを指し示す「指し箸」。


⑦料理の上で箸をうろうろ動かす「迷い箸」。

⑧食べ物を箸と箸で受け取る「拾い箸」。これは、火葬でお骨を箸渡しするのを連想させるので、縁起が悪いとされています。

 他に意外な箸のタブーとして、自分の箸を逆さに返して使う「逆さ箸」「返し箸」があります。この場合は、取り箸を使うようにしましょう。
 和食の日を機会に、あらためて箸遣いについて家族で見直してみるのはいかがでしょうか。