ほっと一息
2022.09.19
私の食育日記 生ごみゼロを目指して
JA広報通信9月号
食育インストラクター●岡村麻純
お庭での野菜作りが家族全員の趣味になっているわが家。夏には、トマトにキュウリ、トウモロコシにピーマン、ブルーベリーまで、たくさんの収穫を楽しみました。すると、必要になってくるのが、栄養のある土です。そこで新たにコンポスト(堆肥化容器)で生ごみを肥料にすることに。最近では家庭用にも、小さなサイズのさまざまな形のコンポストがあります。うちではもともと精米機を使っていて米ぬかがたくさんあるので、小さな袋タイプのコンポストで手軽に肥料作りを始めました。
この家庭用の小さなコンポストでは、一日にあまりにも多くの生ごみを入れてしまうと分解が進みづらくなるため、大量に生ごみが出てもいいというわけではありません。生ごみはコンポストにちょうどいいぐらいの量に減らして、「わが家から捨てる生ごみはゼロにしよう」と目標を伝えると、子どもたちは毎日生ごみの量を気にするようになりました。残してしまったときは、「僕が生ごみを増やしちゃった」と謝るようにもなりました。また、お手伝いをしてくれるときも、できるだけ捨てる部分が減るように切り方を工夫し、今まで嫌がっていたジャガイモの皮も、きれいに洗えばおいしく食べられるよと食べてくれるようになりました。一日の生ごみを気にするようになっただけで子どもたちの意識が変わり、とても驚きました。
日本は食品廃棄率の高い国です。日本の食品廃棄は年間約600万t。これは、国民1人が毎日ご飯茶わん1杯分の食料を捨てていることになるそうです(農林水産省HPより)。その約半分が家庭での廃棄です。これから世界が食料不足になるのではと心配される今、子どもたちには常に食品を無駄にしていないかを意識してもらいたいと願っています。そのためにも、まずは、家から出た生ごみの量を見詰める習慣を付け、その肥料で作る野菜の大切さを実感してもらいたいと思います。
岡村 麻純(おかむら ますみ)
タレント、食育インストラクター。
お茶の水女子大学食物科学講座卒業。
大学では食育をテーマに研究。
現在は男女2児の母。