ほっと一息
2022.09.10
シニアのためのネットリテラシー講座 SNSコミュニケーションのこつ
JA広報通信8月号
成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト●高橋暁子
SNS(会員制交流サイト)デビューしたら、ぜひコミュニケーションを楽しんでみましょう。コミュニケーション上必要なこつについて考えていきましょう。
◎自分の常識を相手に押し付けない
SNSは自分のことを知ってもらえたり、それに対して「いいね」やコメントがもらえて、とても楽しいものです。しかし一方で、返事が遅くてイライラしたり、時間が取られ過ぎて疲れてしまう人もいます。なぜこのようなことが起きるのでしょうか。それは、人によって使い方が違うためです。SNSに割ける時間は人によって違うし、心地良い付き合い方も異なります。自分のやり方は絶対ではないので、相手に強制はできないし、自分も強制される必要はないのです。
例えば、SNS上でつながっても、相手の投稿は自分が見られるときに見て、「いいね」やコメント、返信などはできるときにすればいいのです。SNSは楽しみのために使うもので、義務ではないことを忘れないでおきましょう。
急ぎで返事が欲しい場合は電話をかけたり、相手が返事を急いでいるときはなるべく早く返事をすることで、トラブルは避けられます。
◎SNSで知り合った相手を信じ過ぎない
SNSは公の場と考え、個人情報を他の人が見られる場に書くのはやめておきましょう。文章は口で言うよりもきつく感じることが多いものです。そこで、絵文字や顔文字も使ってなるべく誤解されないように書くようにするといいですね。コメントやメッセージを送る前には、相手を不快な気持ちにさせないか読み返してから送る習慣を付けましょう。
SNSでは、趣味嗜好(しこう)などを通して新しい出会いも期待できます。一方で、ネットでは素性や本心を偽ることもできるため、投資詐欺や国際ロマンス詐欺なども起きています。相手を信じ過ぎないこと、お金や個人情報は簡単に渡さないことが大切です。
成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト 高橋 暁子(たかはし あきこ)
SNS、10代のネット利用、情報モラルリテラシーが専門。スマホやインターネット関連の事件やトラブル、ICT教育に詳しい。NHK『あさイチ』『クローズアップ現代+』などテレビ出演多数。SNS関連の著作は20冊以上。