ほっと一息
2022.09.04
お天気カレンダー 秋入梅
JA広報通信8月号
気象予報士●檜山靖洋
夏の高気圧が南へ後退する初秋の頃、雨の日が続くことがあります。これが秋入梅(あきついり)です。秋の長雨、秋霖(しゅうりん)ともいわれます。本州付近に秋雨前線が停滞し、まるで梅雨のような天気になります。
梅雨の時期は、夏の高気圧のへりを回る湿った空気が日本の南西から流れ込みます。このため、西日本を中心に大雨が降りやすくなります。一方、秋の長雨は、本州南岸沿いの前線に向かって、北東から冷たい空気が流れ込み、関東など東日本で雨量が多くなる傾向があります。6月と9月の平年の降水量を比べると、鹿児島や大阪は6月の方が多く、東京や仙台は9月の方が多くなっています。
秋雨前線が停滞しているときに台風が近づくと、場所によらず大雨になります。前線による雨の降り方も強まり、最後に台風本体の雨雲もかかるためです。前線+台風=大雨の方程式は覚えておきましょう。
気象予報士・防災士 檜山靖洋 ひやまやすひろ
1973年横浜市生まれ。
明治大学政治経済学部政治学科を卒業後、印刷会社に就職。
1999年に気象予報士を取得し気象会社へ転職。
2005年からNHKの気象キャスターに。
朝のニュース番組「おはよう日本」の気象情報に出演中。