組合長からのメッセージ

組合長からのメッセージ

組合長からのメッセージvol.103

山下惣一さんが逝かれた。享年86歳。ご冥福をお祈りいたします。

 

 私が最後にお会いしたのは11年前(2011年9月11日)の菊池温泉。以前から事あるごとに声をかけてくださる元酪農家だった故H氏が「惣一つぁんが来るけん、お前も出てこい」と連絡をしてこられたのがきっかけでした。H氏と惣一さんは毎日会っているかのような調子で世の中の批判、評論を語られ「国は規模拡大ばかりすすめて、小規模農家はいらんと言う。俺らが地域社会を築いているのが、わからんとだろか」などと、過激な言葉が飛び交ったのを今でも覚えています。

 

 家の光協会の月刊誌「地上」を楽しみにしていた読者として、私はいつも山下さんの書かれたコーナーを「そうそう、そうですよね」と、心の中で呟きながら読んだものでした。地上文学賞に選ばれた「減反神社」が直木賞候補になったのは特筆されることです。

 

「農のダンディズム考」最終回(令和3年3月号)に「田や畑を墓場へ持っていく人はいない。生きている間、預かって耕して、そして命をつないできた命綱である。未来永劫にリレーされなければならない」と書いてあります。“田、畑を耕さないと日本人は餓死するよ”と教えられているような気がします。

 

惣一さん、27年間ありがとうございました。

 

代表理事組合長 三角 修