きくちのまんま新聞
2022.07.18
段ボールコンポストに竹チップを利用 生ゴミ問題解決に期待 菊池農業高校
県立菊池農業高校農業科は、竹チップを使った生ごみ処理の実験で、竹チップの可能性に期待を寄せています。同校の花房寮からでる生ゴミを利用し、段ボールコンポスト8箱で実験。1箱あたり、毎日500gの生ゴミが分解できることが分かってきました。寮の廃棄物の減量にも貢献しています。
農業科は、農作物の鳥獣被害をきっかけに2021年から里山の荒廃や放置竹林問題の解決をテーマに、竹林整備や竹を地域資源として活用について取り組んでいます。その活動の一つとして今年5月から、校内の竹林を整備した時に出た竹チップを活用した段ボールコンポストの実験を始めました。竹チップの発酵肥料の製造実験に関わっている生徒から「段ボールコンポストの資材として活用できないか」との意見が出たことがきっかけとなりました。
生徒たちの計算によると年間約150kgが分解でき、菊池市全世帯2万世帯が導入すると、年間3000トンの生ゴミの減量ができ、菊池市内から出る生ゴミ5000トンの半分以上を削減できることになります。
さらに、孟宗竹2万5000本分の竹チップを使用できるため、竹林整備にも繋がるそうです。
農業科3年の坂本京祐さん(17)は「計算通りにはいかないと思うが、予想以上に生ゴミを食べてくれることにびっくりした。まだ実験を始めたばかりだが、段ボールと竹チップだけで多くの問題が解決できる可能性があり、今後の結果が楽しみだ」と目を輝かせていました。
同校ではこれまでの活動を6月に行われる県内農業高校のプロジェクト発表会で報告する予定で、その準備も行っています。
段ボールコンポストとは、家庭から出る生ごみをピートモス等の基材とともに段ボール箱に入れ、微生物の力を借りて分解、発酵させ、減量・堆肥化を行うもの。しかし、通常、基材として使用するピートモスは海外から輸入され、生産国の環境問題になっています。