ほっと一息
2022.07.16
トラブル回避の基礎知識 海外のオンラインマルチ業者のトラブルにご注意!
JA候補通信6月号
国民生活センター相談情報部●上中谷勝子
海外のマルチ業者に関する相談が寄せられています。
「楽して稼げるいい話」?
【事例】マッチングアプリで知り合った日本人から「楽して稼げるいい話がある」と誘われ、ビルの一室で開催された説明会に参加した。「海外のオンラインカジノゲームを宣伝する副業だ。カジノは日本では違法だが、オンラインカジノなら運営会社が海外にあるので違法ではない。会員になって新たな会員を獲得すれば1人につき5万円の報酬がもらえる。入会時に登録料75万円が必要だが、簡単にもうかるのですぐに元が取れる」と言われ、指示されるまま消費者金融から借金をして指定口座に振り込み、海外事業者のウェブサイトにアクセスして登録手続きを終えた。契約書はもらわなかった。その後、新たな会員を獲得できずに解約を申し入れたら、14日を経過したので規約にのっとり解約できないと言われた。どうしたらいいか。
インターネットで取引容易
インターネットの普及で海外業者との取引が容易になる一方で、勧誘者が日本人であることに安心し、契約内容をよく理解しないまま契約してトラブルに巻き込まれるケースが増えています。オンラインで海外のサイトに接続し、日本国内でオンラインカジノを利用した賭博行為を行えば、賭博罪に該当する恐れがあります。また、海外業者の中には、日本の法律は関係ないと主張し、解約などに応じない場合があります。
連絡手段少なく解決困難に
海外業者との取引が特定商取引法の連鎖販売取引に該当する場合には、日本で契約した消費者は、法定記載事項を満たした契約書面を受領した日を含めた20日間のクーリング・オフができると考えられます。ただし、相手が海外業者の場合、(本当に海外業者なのかどうかも含め)その実態が不明で、連絡手段がメールやSNSに限られることも多く、解決を図るのが困難な場合があります。
簡単にもうかるうまい話はありません。SNSなどで誘われても、安易に契約をしないようにしましょう。