ほっと一息

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2022.06.30

お米をおいしく楽しもう お米のおいしさを決める流通・精米工程

JA候補通信6月号

五ツ星お米マイスター●小池理雄

 

 お米の味を決定付ける大きな要素は、品種・栽培方法・産地環境の三つです。それらを「見える化」したのが前回、前々回の内容です。

 ところがお米の味はそれだけでは決まりません。収穫後、消費者の食卓に上るまでにどのような工程を経たのかによっても変わってきます。
(1)もみをどのように乾燥調製し、玄米に仕立てたか。
(2)玄米を適切な温度・湿度で保管していたか。
(3)玄米を上手に精米したか。
 それぞれ見ていきましょう。

(1)お米は一年草のため、次の年に新米ができるまで長期保存する必要があります。そのためもみの乾燥が必要なのですが、この乾燥をいかにお米に過度なストレスを与えずに行うかが大事です。なるべく時間をかけてじっくりと低温で乾燥させるとお米の味を損ないません。天日干しのお米が高値で取引されているのは「手間賃」の面もありますが、明らかにおいしいからです。

(2)玄米の品質を損なわず、かつ虫が付かない程度の温度・湿度で保存することが大事です。かつては空調設備が十分でなかったため夏になると極端に古米化していましたが、今では生産者の敷地内や街中の精米工場では、玄米を定温倉庫にしっかりと保存しているケースが多くなっています。

(3)ぬか層と胚乳の間には「亜糊粉層(あこふんそう)」という、アミノ酸が豊富に含まれている箇所があります。以前は白米は白ければ白いほど良いといわれていましたが、今ではほんの少し薄皮を残すイメージで精米しています。また「割れ」にも気を付けます。米粒は割れてしまうと炊飯時にべちゃつきの原因になるからです。

 お米のおいしさが実は多様な要素で決まることがご理解いただけたかと思います。流通業者や精米業者での取り組みも、お米の味に大きな影響を与えているのです。

 

 

五ツ星お米マイスター 小池 理雄(こいけ ただお)

小池精米店三代目店主。1971年東京・原宿生まれ。大学卒業後、出版社、人事制度コンサルティングファームなどを経て、2006年に小池精米店を継ぐ。それまでの社会経験を生かし、新しいお米屋さんのあり方を常に模索している。