ほっと一息
2022.06.20
資産管理の法律ガイド 民法等改正(令和3年)について
JA広報通信5月号
JA全中・JAまちづくり情報センター 顧問弁護士●草薙一郎
今回から令和3(2021)年に改正された民法や関連法律について説明します。
土地の所有者が特定できなかったり、所在不明なときは、土地の円滑な利用や管理が困難であったりしたことから、今回の法改正に至っています。
主な改正点としては、
(1)相隣関係の見直し
(2)共有物の利用促進や共有関係の解消促進
(3)所有者不明土地の建物の管理制度の制定
(4)管理不全土地・建物の管理制度の制定
(5)相続人不存在の相続財産清算手続きの見直し
(6)遺産分割に関する見直し
(7)不明相続人の不動産の持ち分に関する制度の制定
(8)相続登記の義務化
(9)相続した土地の所有権を国庫に帰属させる法律の制定 などです。
ここで述べた内容は、土地建物の所有者にとって相続時に大いに関係してくるとともに、所有者が不明であったりする場合の対処方法の変更であったりして、私たちの生活に密接に関係しています。
前述の通り、主に土地については登記をさせて所有者を確定させ、所有者が不明や所在不明のときには、その財産の管理が可能になるようにして、土地の有効利用を促進させるという目的が改正点から読み取れます。
(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)は令和5年4月1日から、(8)は令和6年4月1日から、(9)は令和5年4月27日からとされています。
次回より順次説明しますが、次回は(1)の相隣関係の見直しを説明します。