ほっと一息
2022.05.19
トラブル回避の基礎知識 「アナログ戻し」の勧誘にご注意
JA広報通信4月号
国民生活センター相談情報部●黒澤夏子
「アナログ戻し」に関する相談が増えています。
【事例】3日前、大手通信会社を名乗る業者から電話があり「インターネットを使わないなら光回線をアナログ回線に戻すと利用料金が安くなる」などと言われたのでその場で申し込んだ。しかし後から届いた契約書面をよく見ると、大手通信会社ではない別の業者と月額5000円の生活サポートサービスを契約したことになっていた。そのような説明は一切なかった。解約したい。
「アナログ戻し」とは、固定電話を光回線からアナログ回線に戻す手続きのことです。従来、固定電話は自宅まで引き込んだメタル(銅)線(アナログ回線)を利用した電話が主流でした。しかし、現在は光ファイバーケーブル(光回線)を利用したインターネットが普及し、同じ回線を利用したIP電話をオプションサービスとして低コストで利用できるようになりました。
インターネットを利用せずIP電話だけのために光回線の契約をしている場合には、アナログ回線に戻すことで利用料金が安くなることがあります。一方、事例のように大手通信会社名で「アナログ戻し」を勧められても、実際には別の業者と全く関係ないサービスの契約を勧められている場合があります。
生活サポートサービスを電話で勧誘されその場で契約した場合、クーリング・オフに関することなど、法律で定められた事項を記載した書面を受領した日を含む8日間はクーリング・オフができる場合があります。
見知らぬ業者から「アナログ戻し」を勧められた場合には、事業者名や契約内容を十分確認し、不要であればきっぱりと断りましょう。
なお、「アナログ戻し」は手数料を払って第三者に依頼しなくても、自分で申し込むことができます。詳細はNTT東日本・西日本に確認してください。