ほっと一息
2022.05.10
うま味・栄養価が増す 干し野菜を作ってみよう
JA広報通信4月号
監修:KAORU
イラスト:小林裕美子
干し野菜とは、野菜を切って天日干しまたは陰干ししたもの。「干す」という一手間を加えた野菜は、うま味や甘味が凝縮され歯応えがアップします。残り野菜も無駄なく利用できる、時短調理が可能になる、栄養価が増すなど生の野菜とは違う魅力が生まれます。ぜひ作ってみませんか。
基本の干し野菜の作り方
(1)野菜を洗って水気を拭き、用途や好みに合わせて切る。
(2)表面の水分をペーパータオルで拭き取り、ざるなどに重ならないように並べる。
(3)天気が良い日に風通しの良い場所で干す。好みの状態まで乾燥したら取り込む。
(4)そのまま調理に利用、または保存して活用する。
濃厚な甘味・うま味に感動 トマト
作り方
下処理
へたを取って、皮付きのまま横半分に切り、種を取り除く。
干す時間、完成の目安
皮を下にして、半日~2日程度干す。全体的にしわが寄り、クタッとなったら取り込む。
お薦め料理
サラダ、マリネ、スープ、揚げ物、炒め物、煮物など
ニンニクやハーブの風味を加えたオイルマリネは、バゲットやサラダに。
辛味が和らぎうま味アップ タマネギ
作り方
下処理
皮をむいて根を取り、串切りや輪切りなどにする。
干す時間、完成の目安
半日~1日程度干す。表面にしわが寄り、全体的にしんなりしたら完成。
お薦め料理
サラダ、マリネ、あえ物、炒め物、揚げ物、煮物など
甘味が増したタマネギと豚肉をごま油で炒めるだけ。調味料も少なめで味が整います。
生とは違う食感に驚き キュウリ
作り方
下処理
皮付きのまま、斜め切り、輪切り、棒状などに切る。
干す時間、完成の目安
半日~1日程度干す。表面が乾いて、全体的にしんなりしてきたら取り込む。
お薦め料理
マリネ、ピクルス、あえ物、炒め物、漬物など
干しキュウリのめんたいバター炒め。加熱しても水っぽくならず、癖になる歯応えです。
かさが減りうま味が凝縮 キノコ
作り方
下処理
シイタケは軸を取り、かさを下にして半日~1日ほど干す。シメジは石づきを取り小房に分け、エリンギは縦切りにして半日程度干す。
干す時間、完成の目安
表面が乾いて、程よく縮んだら取り込む。
お薦め料理
だし、スープ、マリネ、炒め物、煮物など
キノコ、ホタテ缶、水を鍋で煮立たせ、みそを溶かせば、だしいらずの即席みそ汁に。
ニンジン嫌いも克服 ニンジン
作り方
下処理
皮はそのままか薄くむき(皮部分が黒っぽくなるため)、1cm程度の輪切り、いちょう切り、棒状の細切りなどにする。
干す時間、完成の目安
半日~1日程度干す。表面が乾いて白っぽくなり、しんなりしたら取り込む。
お薦め料理
ソテー、ピクルス、炒め物、あえ物、漬物、煮物など
油でさっと炒め、ツナ缶としょうゆで調味。干すことで炒め時間が短縮し、甘味がアップします。
料理の幅がグンと広がる キャベツ ハクサイ
作り方
下処理
葉を1枚ずつ剥がすか根元を付けたくし切りにする。
干す時間、完成の目安
葉を広げて半日~1日程度干す。葉がしんなりしてきたら取り込む。
お薦め料理
ソテー、グリル、煮込み(ロールキャベツ・ハクサイ)、あえ物、漬物など
葉でウインナーを巻き、トマト入りコンソメスープで煮る。下ゆでせずに巻くことができます。
特有の香りが優しく穏やかに ピーマン パプリカ
作り方
下処理
へたと種を取り除き、縦半割り、四つ割りなどにする。
干す時間、完成の目安
皮を下にして半日~1日程度干す。表面にしわが寄り、全体にしんなりしたら完成。
お薦め料理
マリネ、ピクルス、あえ物、炒め物、漬物など
皮目をあぶり、オリーブ油、塩、こしょうで味をなじませれば、華やかな一品に。