ほっと一息

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2022.05.08

快適! 初夏の大掃除

JA広報通信4月号

 

 

今年の大型連休は、家族一緒に家の大掃除をしませんか。
爽やかなこの時期は大掃除をするのに絶好の季節。
そのポイントについて、お掃除・お片付けのプロに教えてもらいました。

 

5月に大掃除をお勧めする理由

その1  梅雨前の掃除でカビ予防

 カビは、温度・湿度・有機物の三つがそろうと発生します。有機物とは、食べ物、ほこりや毛髪など、カビが繁殖するための栄養です。室温25度、湿度80%を超えるとカビは急激に増えます。梅雨前のこの時期に掃除することで、カビの発生を抑えましょう。

 

 

その2 油汚れを落としやすい季節

 5月になると気温が上がり、特に油汚れが落としやすくなるので、換気扇などの油で汚れやすい場所の掃除はこの時期がお勧め。一度やっておけば後が楽。年末は大掃除ではなく小~中掃除程度で済みます。

 

 

その3 体が動きやすく、作業がはかどる

 寒過ぎず暑過ぎず、気候が最も快適なのが5月の大型連休の頃です。体を動かすのがおっくうにならず、効率もアップします。

 

 

その4 家族コミュニケーションの機会

 連休中は家族がそろいやすい時期でもあり、共同作業のチャンス。掃除は主婦だけの仕事ではありません。円滑なコミュニケーションのきっかけにもなるでしょう。

 

 

その5 おうち時間が気持ち良くなる

 今「家」の役割が変わりつつあります。外から帰ってくつろぐ場から、仕事も勉強もする場所へ。長時間過ごす場所をきれいに保つことは、自分たちが気持ち良く過ごすことにつながります。

 

 

 

 

覚えておきたい掃除4要素

四つをバランス良く活用することが、汚れを楽に落とすポイントです。

(1)時間
(2)温度
(3)物理力
(4)洗剤の濃度

 

 汚れた場所をゴシゴシとこするのは「物理力」に該当し、体に負荷がかかります。かといって刺激の強い成分の入った洗剤も必要以上に使うのは控えたいもの。そこで時間と温度を最大限活用します。洗剤の湿布や漬け置きするなど時間を置くことで汚れの内部に洗剤が浸透し、汚れを分解して落としやすくします。お湯に漬け置きするとさらに有効です。

 

 

家にあるものを掃除グッズに

 コンビニなどでもらうおしぼりや割り箸、ストッキング、着なくなったジーンズや子ども服など。どれも使い捨てにできるので、掃除の強い味方です。古布は使いやすい大きさにカット。ジーンズなど厚手の布はベランダ掃除になど、厚さによって使い分けができます。

 

 

 

五つの大掃除ポイント

1浴室

タイルの目地や扉の内側のゴムパッキン

 カビが内部まで侵入すると取り除くのが難しくなります。すでに発生している場合は、カビ取り剤をスプレーするだけでなく、こより状に細くしたキッチンペーパーに含ませて湿布のように10分以上貼り付けます。その後は、しっかりと洗い流しましょう。

 

 

浴槽のエプロン内部

 浴槽には側面に開閉できるエプロンというパネルが付いているタイプがあります。エプロンを開くと内部がドロドロに汚れてカビだらけの場合が多く、ここのカビを取ることで浴室全体もカビにくくなります。

担当=お父さん
力仕事や大物は男性の出番です!
女性陣は掃除後の成果をしっかり褒めてね!

2トイレ

便器の内側の縁

 内側の縁は、一見しただけでは見えないため見落としがち。実はとてもカビやすい場所です。縁裏に入り込むブラシなどを使って、しっかり汚れを落としましょう。

担当=子ども
狭いスペースなので、子どもの手が届く範囲で掃除できます。毎日使う場所だから掃除の習慣化にも役立ちます。

 

 

便器と床のつなぎ目

 それほど目立たないけれど、意外に汚れがたまりやすい場所。水が垂れたり、ほこりが集まったりして臭いの発生源にもなります。予防策として、太めのマスキングテープを使います。マスキングテープの片側に適度な間隔で切り込みを入れ、切り込みを入れた方を外側にして、つなぎ目に沿って曲線を描きながら貼っていきます。汚れてきたら外して交換するだけです。

 

 

3エアコン

「エアコン菜箸」を活用

 エアコンの風がカビ臭かったら要注意! カビが発生している証拠。体にも良くありません。季節の変わり目にしっかり掃除しておきましょう。フィルターは取り外して掃除機などでほこりを取り除き、しっかりと水洗い。見落としがちなのは吹き出し口とルーバー部分(吹き出し口の羽)。箸に布を巻き付け除菌用の消毒エタノールを浸し、吹き出し口の奥まで差し込んで塗布します。

エアコン菜箸。菜箸に使い捨ての布を巻き付けて使います

 

 

4換気扇

漬け置きで楽々

 換気扇にこびり付いた油とほこりを簡単に落とすコツは、ファンを取り外し、洗剤を溶かしたお湯に漬け置きすること。このとき、保温効果の高い段ボール箱を使うことをお勧めします。45L程度の厚手のビニール袋をかぶせ、そこにお湯を張って漬け置きしてから、汚れをこすり落とします。セスキ炭酸ソーダなど刺激の少ない洗剤でも、お湯に漬ける時間が長ければ、軽い力で落とせます。

5クローゼット

衣替えも同時に

 このタイミングで、冬物を片付けて衣替えもしましょう。クローゼットは湿気がたまりやすい場所でもあり、洋服を春夏物に交換しながら、ほこり汚れと湿気を取り除きます。特に冬物は繊維くずが出やすい素材が多く、床に綿ぼこりがたくさん落ちています。また、知らない間に少しずつ増えていた洋服を処分するチャンスでもあります。

 

 

テンポの良い音楽でスピードアップ

 時間があるからと、だらだらと掃除すると途中でだれてしまいがち。明るくてテンポの良い音楽をBGMに流しながら行えば、仕上がりまでのスピードもアップします。また、1曲4分なら5回リピートすれば20分というように、曲の長さを利用して、時間を決めて集中して行うのがコツです。

 

 

 

お掃除のプロ 大津たまみさん


一般社団法人日本清掃収納協会会長。「笑顔を届けるお掃除会社」を目指し、2006年に株式会社アクションパワーを設立。講演の他、テレビや雑誌などで片付けや掃除法を伝える。著書に『わが家のリフレッシュ大作戦』他多数。
https://tamami.net/