ほっと一息

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2022.04.21

シニアのためのネットリテラシー講座 楽しみだけど心配……スマホデビューのこつ

JA広報通信3月号

成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト●高橋暁子

 

 NTTドコモモバイル社会研究所の調査(2021年)によると、60代のスマートフォン(スマホ)所有率は80%、70代で62%となっています。いよいよスマホデビューを考えている方も多いのではないでしょうか。失敗しないスマホデビューのこつを知っておきましょう。

◎シニア向きだが使い方は独特

 スマホは、シニアに向いています。画面が大きくて見やすく、音声入力もでき、家族とのコミュニケーションもしやすくなるためです。災害情報などを得るのにインターネット交流サイト(SNS)が使えたり、買い物や支払いにも便利で、使いこなしたい機能が多数あります。

 一方、操作方法がガラケーなどと呼ばれる従来の携帯電話とかなり異なるので、端末の選び方、オプションなどの契約に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。自分の意志を持って決めなければ、不要な大容量プランやオプションを契約させられ、月々の代金が高くついてしまう恐れもあるので注意が必要です。

 スマホは操作方法も異なり、アプリのインストールや、アカウントの設定、IDやパスワードなどについて知る必要があります。「電話のかけ方も分からない」という話も聞くので、その点でもデビュー時が大切です。

 

◎子どもや孫、年下の友人に手伝ってもらおう

 スマホを選ぶ際は、子ども世代や孫世代、または信頼できる年下の友人などに頼んで、一緒に選んでもらうのがお勧めです。自分がスマホでやりたいことを伝えて、お勧めのアプリを入れてもらい、設定なども併せてお願いするのがいいでしょう。電話のかけ方、アプリのインストールの仕方など、基本的な使い方も教えてもらいましょう。

 子どもや孫、友人などと同じOS(基本ソフト)・機種にすると、分からないときに教えてもらいやすくなる利点もあります。使っていて困ったことや、新しくやりたいことができたら、子どもや孫、友人などに相談しながら解決しましょう。

 

成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト 高橋 暁子(たかはし あきこ)

SNS、10代のネット利用、情報モラルリテラシーが専門。スマホやインターネット関連の事件やトラブル、ICT教育に詳しい。NHK「あさイチ」「クローズアップ現代+」などテレビ出演多数。SNS関連の著作は20冊以上。