ほっと一息

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2022.04.09

なくそう食品ロス 食品ロスとは

JA広報通信3月号

食品ロス問題ジャーナリスト●井出留美

 

 

 「食品ロス」とは、まだ食べられるのに捨てられてしまう食べ物のことです。日本の定義では魚の骨やリンゴの芯など食べられない部分は含みません。

 野菜などが畑で栽培されてから加工・流通・小売りを経て消費者に届く一連の流れをフードサプライチェーンと呼びますが、国連食糧農業機関(FAO)の定義では、そのサプライチェーンの前半で発生するものをFood Loss(フードロス)、後半で発生するものをFood Waste(フードウェイスト)、二つ合わせて「Food Loss and Waste(食品ロス)」としています。FAOの食品ロスには、魚の骨やリンゴの芯などの不可食部も含まれます。

 最近、食品ロスのことを指して「フードロス」という言い回しを聞きますが、FAOの定義だと後半部分が含まれないことになり、紛らわしいため、私は日本政府の使う「食品ロス」という表現を使っています。

 2021年11月30日に農林水産省と環境省の発表した最新(19年度)の推計値によると、日本の食品ロスは年間570万トン。これは都民1400万人を1年間養える量です。

 20年にノーベル平和賞を受賞した国連WFP(世界食糧計画)の食料支援は年間420万トン(20年度)。つまり、日本ではその1・4倍もの食料が無駄にされているのです。しかも日本の推計値には、生産調整などでつぶされる野菜や水揚げされたものの洋上で廃棄される魚介類は含まれていません。

 

 

 FAOは、世界の食品ロスは13億トンとしていましたが、21年7月、世界自然保護基金(WWF)は実際は25億トンだと発表しました。この大きなずれは、農場のロス12億トンが見過ごされてきたためです。農産物の食品ロスは、もっと注目されてしかるべきと考えます。

 

 

食品ロス問題ジャーナリスト 井出 留美(いで るみ)

株式会社office3.11代表取締役。博士(栄養学/女子栄養大学大学院)修士(農学/東京大学大学院農学生命科学研究科)。『食べものが足りない!』『SDGs時代の食べ方』『捨てないパン屋の挑戦』など著作多数。