ほっと一息

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2022.03.27

知って納得! 税金講座 消費税の農協特例と媒介者特例

JA広報通信2月号

JA全中・JAまちづくり情報センター 顧問税理士●柴原 一

 

 

 2023年10月1日からの適格請求書等保存方式の導入に合わせ「農協特例」が措置されます。農協特例とは、買い手がJAに対して無条件委託・共同計算により販売委託された農産品を購入した場合、JAが販売委託をした生産者に代わって請求書や領収書を発行し、買い手はJAが発行した請求書や領収書を保存すれば仕入税額控除ができるという特例です。つまり、適格請求書発行事業者になれない免税事業者であっても、JAに農産品販売を無条件に委託することにより、買い手に適格請求書と同じ効力を持つ請求書等をJAを通じて渡すことができます。

 一方、農協特例の適用を行わない免税事業者と取引する事業者は、その取引にかかる消費税について仕入税額控除ができなくなります。免税事業者があえて適格請求書発行事業者すなわち消費税の課税事業者になるかどうかは、取引先に適格証明書を求める事業者がいるかどうかなどを考慮して判断することになるでしょう。なお、2023年10月1日から2026年9月30日までは、免税事業者からの仕入れであっても「支払対価の額にかかる消費税相当額×80%」、2026年10月1日から2029年9月30日までは「支払対価の額にかかる消費税相当額×50%」を仕入税額控除できる措置が設けられています。

 JAの直売所における委託販売については、本来、売り手(生産者)が買い手に対して適格請求書を直接交付する必要があります。しかし、生産者が直売所にいることができないときは適格請求書の交付は困難になります。そのため「媒介者特例」が措置されました。この特例はJA直売所などにおいてJAが自らの登録番号を付した適格請求書を買い手に交付し、売り手である生産者に対してはその写しや精算書を渡すことで買い手の仕入税額控除を可能とする仕組みです。ただし、この特例は課税事業者である生産者しか適用できませんので注意が必要です。