ほっと一息

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2022.03.22

介護ハンドブック 介護する人への声掛けやサポートのヒント

JA広報通信2月号

介護者メンタルケア協会代表●橋中今日子

 

 

 誰もが介護し、介護される大介護時代に入りました。寄せられる相談の中には「同僚や友人が介護に悩んでいるが、どう助ければいいのか」との声も増えています。

 

アドバイスは逆効果

 40代Aさんのケースです。高校時代の友人の母親(70代)が骨折で緊急入院しました。友人の母親は1人暮らしで、2年前にパーキンソン病と診断されました。病状が進行し、動きづらくなっている母親を心配していた友人は、「私が同居していれば、こんなことにならなかった」と自分を責めています。落ち込む友人をどう支えれば良いのか、Aさんは悩んでいます。

 相談を受けたときは、ただ話を聞くだけの方が相手を支える力になることが多いものです。アドバイスは逆効果なので、状況が改善する答えを出せなくても、不安になる必要はありません。苦しい気持ちを打ち明けられる存在は大きく、気持ちを話せたこと自体に大きな効果があります。介護殺人、心中事件の中には「追い詰められているようには見えなかった」「いつも明るく、元気な人だった」と周りの人が驚くほど、つらい気持ちを伝えられずに事件に至る人も少なくないのです。

 

 専門家につなげることも重要

 アドバイスは基本的にはNGですが、相談者が介護保険などの情報を知らず、プロの支援をまったく受けていない場合は別です。地域包括支援センターに相談できることをぜひ伝えてください。特に、相談者に不眠や体重減少などの心身の変化が見られるときは、本人にも専門的なケアが必要です。心療内科や保健所の相談窓口を活用し、支援の選択肢があることを伝えてみましょう。地域包括支援センターに「友人が思い詰めているようだ」と相談することもできます。秘密は守られますので安心してください。相談者がケアマネジャーや地域包括支援センターなどの専門家に相談をし、具体的な支援を受けられるための情報は、ちゅうちょせずに届けてほしいです。