ほっと一息

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2022.03.07

食のはなし 牛肉 必須アミノ酸、脂質、鉄分豊富なタンパク源

JA広報通信2月号

エッセイスト 神山 真理

 

 夕方、私が「何にしようかな」とつぶやくと、たいてい夫は「すき焼き!」と言います。鍋がジュウジュウ、グツグツ、いい具合に出来上がってくるころ、夫や息子たちの目は肉にくぎづけ。誰かが「もういいかな」と言った途端、お肉はなくなってしまいます。

 すき焼きの主役である牛肉は、とても優れたタンパク源です。タンパク質は、私たちの体の一つひとつの細胞をつくり、筋肉や骨、血液などのもとになります。だから年齢を問わず、十分に取らなくてはならない栄養素です。

 また、タンパク質は体の中に入るとアミノ酸に分解されますが、体内で合成されない「必須アミノ酸」が、牛肉には9種類すべて含まれています。

 そして、牛肉はほかの肉に比べて脂肪が多いことも特徴です。その量は部位によって大きく違い、ステーキにするとおいしい脂身つきのサーロインには、ローストビーフに適した脂身なしのもも肉の約5倍もの脂質が含まれています。気になる方は、脂肪の少ないもも肉かひれ肉のステーキがおすすめです。すき焼きや、焼き肉には、タンパク質も脂肪も適度に含まれている肩ロースが向いていますが「おいしい、おいしい」と肉ばかり食べていると栄養が偏りがちになります。季節の野菜と共に味わいましょう。

 また、牛肉は比較的鉄分が多い肉です。鉄分は赤血球のヘモグロビンの成分になり、造血に役立つ栄養素です。貧血気味のときや、激しいスポーツの後には、もも肉やひれ肉の料理が適しています。ただし鉄分は体内に吸収されにくいので、吸収を助けるビタミンCも一緒に取りましょう。

 いずれにしても、牛肉は野菜を添えることでおいしさも栄養価も高まります。
参考文献 『クスリの食べ物』(西東社) 『新食品成分表〈2007〉』(一橋出版)