ほっと一息

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2022.03.06

資産管理の法律ガイド 借家契約について(4)

JA広報通信2月号

JA全中・JAまちづくり情報センター 顧問弁護士●草薙一郎

 

 

 今回は、借家契約の更新料について説明します。

 借家契約を更新するに当たり、更新料を借家人に支払ってもらうことがあります。アパートの場合などは、一般的に新家賃の1カ月分を更新料の金額とすることが多いようです。

 この更新料は民法などの規定がないことから、契約書の中に明示したり、更新料を支払うことを約束したとか、過去に支払っているので今回も支払うことを認めているなど、支払うことを借主が了解していなければ、貸主は「更新だから更新料を支払え」とは当然には言えないとされています。判例でも更新料を支払うとの慣習があるわけではないといっています。

 従って、更新料については契約書の中に借主が支払うことの文言を明示しておくことが大切です。

 しかし、借家契約が消費者契約法に該当する場合、事案によっては更新料の支払いは無効であるとされる可能性がありますので注意してください。

 消費者契約法の対象は、事業者と消費者との間の労働契約以外のすべての契約です。

 アパートを所有して賃貸をしているとなると事業者ということになり、借主が個人として借りている場合(つまり法人、団体は消費者ではなく、個人でも事業としてまたは事業のためのときは消費者ではありません)には、両者の間の借家契約は消費者契約法の対象となります。

 

 

 次回は、更新料支払いが消費者契約法に反するとして無効であるとした高等裁判所の判決が下されましたので、その内容を紹介したいと思います。