ほっと一息

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2022.02.26

皆で仲良く100歳食 ワカメ汁で骨元気

JA広報通信2月号

食文化史研究家●永山久夫

 

 

 日本人の長寿の要因として、「海藻食」を挙げることができるでしょう。事実、海藻や小魚などを日常的によく食べる習慣のある地方には、長寿の方が多いのです。

 ワカメは春先から花曇りの季節にかけてが旬。ホテルの朝食で、和食を注文すると、みそ汁で圧倒的に多いのが「豆腐入りのワカメ汁」です。

 ワカメ汁の風習は古く、家庭の朝の食卓にもよく登場します。朝食にワカメ汁をとるのは日本人の知恵なのです。ワカメ汁を食べると、一日をニコニコと和やかに過ごせることを知っているからです。

 昔から「イライラするときにはワカメのみそ汁」といわれてきました。

 ニコニコできる理由は、ワカメや豆腐、そしてみそ、かつお節にもカルシウムがたっぷり含まれているからです。

 カルシウムは単に骨の原料となるだけではなく、「食べるトランキライザー(精神安定剤)」ともいわれるように、精神安定効果の高いミネラルでもあるのです。

 カルシウムが不足すると、イライラして情緒不安定になり、怒りっぽくなったりします。カルシウムは神経伝達物質である「アセチルコリン」の働きを助け、スムーズな情報伝達を助けます。つまり、記憶力や学習能力とも深いかかわりがあるということです。

 

 

 火山国の日本列島は、カルシウムの少ない火山灰土で形成されている田畑が多くありました。加えて、よく雨が降るので、土壌のカルシウムが流されやすいのが特徴でした。

 そのため、田畑の生産物にはカルシウムが少ない傾向が出てきます。それを補ってくれたのがカルシウムの多いワカメなどの海藻や海の小魚類だったのです。

 ワカメは「若女」に通じるところから、昔から縁起の良い若返り食としても喜ばれてきました。