ほっと一息

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2022.02.25

老人介護のミニ知識 ベッドから車いすへの移乗のこつ

JA広報通信2月号

高齢生活研究所所長●浜田きよ子

 

 

 Aさんはお母さんの介護をしている62歳の女性です。お母さんはほぼ寝たきりの状態ですが、ベッド上の生活は本人にも良くないので、彼女はできる限り起きてもらおうと、頑張って介護しています。

 そんなAさんから相談がありました。「毎朝、ベッドから母親を車いすに乗せ、トイレに連れていく。その繰り返しで腰を痛めてしまって、どうしたらいいのか困っている」と言うのです。

 できるだけ腰を痛めないように介護すること。これは介護の継続のために重要なことです。そこでAさんがどのように介護されているかを見せていただくことにしました。

 Aさんはまず、ベッドに寝ているお母さんの体を抱えて起こします。そこから足をベッドの横に下ろして座らせます。そして体を密着させて、お母さんを抱え上げ、車いすに乗せます。見ていて、これでは腰を痛めるのは当たり前と思わざるを得ませんでした。

 そこで次のような方法を紹介しました。

 電動ベッドは背中の部分が上がるので、それでお母さんの体を起こし、次に足を床に下ろします。何とか座ったお母さんのお尻の下に滑りのいい板(トランスファーボード)を入れます。車いすはアームサポート(ひじ掛け)を跳ね上げておき、ボードの先端を車いすにしっかり置きます。そしてボード上にお尻を滑らせていきます。こうすると、体を持ち上げることなく車いすに乗せることができるのです。

 

 

 移乗の方法はいろいろあり、その人の状態によって適切な方法があります。移乗は日々行うことなので、ぜひ、理学療法士などの専門家に教えてもらってください。そのことでお互いの生活が大きく変わります。

 Aさんは「これで腰が楽になる」と言い、お母さんも「怖くないし痛くない」と喜んでくださいました。