まんまキッズスクール

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みんなで実践! 食育のはなし 価値観を押しつけない「食育」を

JA広報通信2月号

食育・料理研究家●坂本廣子

 

 

 世間では徐々に「食育」が認知されてきました。その半面、子どもたちにとって食育が、新たな「良い子の条件」となっていることに一抹の不安を感じます。「きちんと何でも食べる、良い子になろう!」と言われたら確かにその通りですが、どうも気持ちがすっきりしません。

 例えば、「甘いものは良くない食べ物」、「野菜は良い食べ物」と、自分たちの食育に対する価値観を子どもに押しつけていませんか? 甘いものであろうと何であろうと、食べ過ぎが良くないだけの話で、「食べるか・食べないか」を自分で判断する力をつける方が大切です。一度、胸が悪くなるほど、思いっ切り食べてみた方がいいかと私は思います。

 また、「良い子は甘いものを食べません」と言われた子どもは、甘いものを食べるときに「自分は悪い子だ」と罪悪感を持ってしまいます。時には隠れて食べるような行動を取るかもしれません。おいしいものを「おいしいね!」と素直に食べられないことは、とても悲しいことだと思いませんか。

 科学的な見地からも食べ物に善悪はありませんから、自分たちの価値観で食べ物の善悪を決めるのは避けましょう。食育を、価値観を押しつけるための道具、または自分たちの意見に従わせるための道具にしてはいけません。

 むしろ、いろいろな食べ物に出合うことを楽しみ、食を体感することで、自分で生きていく力がつけばと思います。子どもたち一人ひとりを大切にした、体感型の食育が広がることを願っています。