ほっと一息

ほっと一息

2022.02.09

皆で仲良く100歳食 春になったらヨモギです

JA広報通信2月号

 食文化史研究家●永山久夫

 

 小川の水かさが増えるころ、土手ではフキノトウがおっかなびっくり芽を出しています。水辺ではセリが新芽を伸ばし始めました。

 原っぱのヨモギも負けてはいません。日だまりの中で、若々しい葉っぱをぐんぐん広げています。

 

 

 ヨモギは古くから、人間の生きる力を強くする薬草として大事にされてきました。

 仙人の住む山を蓬莱(ほうらい)山と呼びます。もちろん伝説の山で「蓬」はヨモギ、「莱」はアカザのことを指します。どちらも生命力は極めて盛んで、荒地にもしっかりと根を下ろし、ほかの野菜をけ散らして繁殖するパワーがあります。

 ヨモギもアカザも食用になりますが、薬草としての効果も少なくありません。特にヨモギは抗酸化力の高い草で、細胞の酸化、つまり老化を防ぐ力が大変に強いことが分かっています。平安時代の医術書などには「一名医草」とあり、不老長寿に役に立つ薬草とみられていたようです。

 特に多いのがビタミンCやE、カロテン。これらは抗酸化作用や免疫力の強化作用などがあり、確かに長生きに役立ちそうです。

 また、ヨモギの薬効は多彩で、鮮やかな濃い緑色のクロロフィルには、がん予防のほかに浄血や殺菌、血行を良くするなどの働きが認められ、苦味成分のアデニンやコリンは心臓を丈夫にしたり、脳の老化やボケ防止にも役立つといわれます。

 考えてみたら、昔から食べてきた「草もち」はがんや心臓病、脳卒中などを予防する特効薬みたいな存在です。ビタミンCの含有量はミカンと同じくらい。ビタミンCの体内濃度の高い人ほど長生きするという説もあります。