ほっと一息

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2022.01.27

ふるさと見てある記 これも野菜? ほくろのシュンラン

ja広報通信2月号

 ●とよた 時

 

 裏山の林の中などにシュンランが咲き始めています。漢字で春蘭と書く通り、早春に咲く身近なランで、日本原産種となる東洋ランの一種です。2~4月ごろ、緑色を帯びた花を一つ咲かせます。花はがく片3枚、花弁2枚。葉は根からたくさん出て、根はドジョウヒゲのようで白く肉質です。

 シュンランは地方により、ジジババ、ハックリと方言で呼ばれます。昔の子どもは、シュンランの花をのぞき込んで「爺(じじ)と婆(ばば)が抱き合っている…」と、クスクス笑ったり、花弁をはがしながら「ホントだ!」と大笑いをして遊びました。  爺は唇弁(しんべん)の上にある、頭の丸いずい柱のことで、紫紅色のほくろのような斑点のある唇弁を婆に見立てたもの。これがジジババの方言の由来です。その斑点を人間の顔のほくろに見立てて、一名、ほくろともいうそうです。

 このシュンランが野菜の仲間に取り上げられています。咲き始めのつぼみが、刺し身などの料理のツマや向こうづけの酢の物の小鉢につけ合わせて需要があり、青果市場で「蘭花」とか「ほくろ」、「じじばば」の名で出荷されます。畑で栽培するというよりは、山野に自生しているものを採取したものです。  また祝宴の席で桜花茶を飲みますが、しゃれた人たちはシュンランの花を使用した、蘭花茶を飲むそうです。ランの花はサクラより高貴といわれています。ドジョウヒゲのような根は、火であぶってあかぎれの薬に使ったとか。昔から園芸品種がたくさん作られていたそうです。